ワシントン・ナショナルズ (1872年)

ワシントン・ナショナルズ (1872年)

ワシントン・ナショナルズは、1872年にアメリカ合衆国ワシントンD.C.を本拠地として活動した、短命に終わったプロ野球チームです。本記事では、その設立から解散までの短い歴史、所属選手、記録について詳しく解説します。

球団史

創設～プロ化以前

1859年、ワシントンD.C.では、ホワイトハウス職員によって構成された「ポトマック・クラブ」と「ナショナルズ」という2つの野球チームが誕生しました。両チームはホワイトハウスの裏庭で練習や交流試合を行いましたが、当時はポトマック・クラブの方が実力で上回り、ナショナルズは連敗を喫していました。しかし、南北戦争の勃発によりポトマック・クラブが消滅した後も、ナショナルズは地元の野球ファンの熱意に応え、チームを存続させました。

1865年には、当時の強豪チームであったフィラデルフィアのアスレチック・クラブとブルックリンのアトランティック・クラブを招待して試合を開催し、6000人もの観客を動員しました。結果は両試合とも大敗でしたが、ナショナルズは1866年からフィラデルフィアやニューヨークのクラブとの巡業を開始。1867年7月の巡業では、ロックフォードのフォレストシティ・クラブ（後のロックフォード・フォレストシティーズ）に敗北したものの、プロ化前のシンシナティ・レッドストッキングス（この年、レッドストッキングスが喫した唯一の敗戦がこの試合でした）に勝利するなど、9勝1敗という好成績を収めました。

プロ化以降

1871年にプロ野球リーグ「ナショナル・アソシエーション」が創設された際、ワシントンD.C.からは新たに結成されたワシントン・オリンピックスがリーグに加盟しました。ナショナルズは翌1872年にオリンピックスに続いてリーグに加盟。当時21歳という若さのジョー・ミラーを監督に迎え、前年オリンピックスの控え投手だったビル・ステアーンズを獲得してシーズンに臨みましたが、0勝11敗という惨憺たる結果に終わり、プロリーグでは一度も勝利を挙げることなくチームは解散してしまいました。ちなみに、同年のオリンピックスは2勝を挙げていますが、その2勝はいずれもナショナルズから挙げたものでした。

戦績

0勝11敗

所属した主な選手

ポール・ハインズ：打率・打点・本塁打の打撃三冠を史上初めて獲得した選手。
ビル・ステアーンズ：前年にオリンピックスから移籍、11試合全てに登板。

主な球団記録

最多安打：15（ホリー・ホリングスヘッド）
最多打点：9（ジョー・ドイル）

関連項目

ワシントン・オリンピックス
ワシントン・ブルーレッグス
ワシントン・ナショナルズ (曖昧さ回避)

出典・外部リンク

Nationals Tour 1867 (19cbaseball.com)
* チーム成績(Baseball Reference)

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