ワルシャワ条約 (1705年)

ワルシャワ条約

ワルシャワ条約は、1705年11月28日（ユリウス暦11月18日）にスウェーデンとポーランド＝リトアニア共和国の親スウェーデン派との間で締結された合意です。この条約には、双方の軍事活動や経済関係、さらには政治的な連携がも盛り込まれており、当時の戦局に大きな影響を与えました。

背景

大北方戦争が続く中、スウェーデン王カール12世はポーランド＝リトアニア共和国への進軍を計画しました。1704年7月12日には、ポーランド王選挙が行われ、カール12世は敵対していたアウグスト2世を追放し、代わりにスタニスワフ・レシチニスキを王として支持しました。しかし、ポーランドの貴族たちは、これに反発し、サンドミェシュ連盟を結成し、レシチニスキの選出を認めないと宣言しました。この結果、ポーランドはさらなる混乱に陥り、スウェーデンに対して宣戦布告を行いました。

それに対抗するため、ロシア、ザクセン、ポーランド、リトアニアの連合軍が形成され、オットー・アーノルト・フォン・パイクールが指揮を執りますが、ワルシャワ近郊でスウェーデン軍に敗北します。この状況下、レシチニスキは1705年10月4日にワルシャワで戴冠式を行い、同年11月28日にワルシャワ条約が成立する運びとなりました。

条約の内容

ワルシャワ条約では、スウェーデンがポーランド＝リトアニア共和国の町と要塞を無制限に占領し、徴兵も認めるという内容が盛り込まれました。さらに、共和国はスウェーデンの許可なく新たな条約を結ぶことができなくなります。また、スウェーデン領のリガ港を通じてのみ商品を輸出することが認められ、共和国内のスウェーデン商人には税金の免除や貿易権が付与されました。

条約では、ロシアに占領されていた地域の分割も行われ、スモレンスクとキエフ地域は共和国が再併合することが認められましたが、ポーランド領リヴォニアとクールラントはスウェーデンに引き渡されることとなります。さらに、将来の王位選挙に関しても、条約がパクタ・コンヴェンタに組み込まれ、これに同意しなければ立候補が無効とされる仕組みが整えられました。

影響

この条約は、スウェーデンの思惑通り、ポーランド内部の対立を再燃させ、ワルシャワ連盟とサンドミェシュ連盟の和解を困難にしました。1706年の初め、アウグスト2世はワルシャワへ近づきつつありましたが、スウェーデン軍との戦闘では敗北を喫します。ポロツクで集まった連合軍も、グロドノの戦いで敗れ、スウェーデンの優位な立場は揺るがず、その後カール12世はザクセンを占領し、1706年のアルトランシュテット条約でポーランド王位を放棄させるに至りました。

参考文献

• - Anisimov, Evgeniĭ Viktorovich (1993). The reforms of Peter the Great. Progress through coercion in Russia. The New Russian history. M.E. Sharpe. ISBN 1-56324-047-5
• - Bromley, J. S. (1970). Rise of Great Britain & Russia, 1688-1725. The New Cambridge Modern History. 6. CUP Archive. ISBN 0-521-07524-6
• - Frost, Robert I (2000). The Northern Wars. War, State and Society in Northeastern Europe 1558-1721. Harlow: Longman. ISBN 978-0-582-06429-4

このように、ワルシャワ条約は当時のポーランドにおける権力構造や国際政治に多大な影響を与えた重要な歴史的出来事となりました。

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