ワルテル・ヴェルトローニとは？意味をやさしく解説

ワルテル・ヴェルトローニ：イタリア政界の重鎮

ワルテル・ヴェルトローニ（Walter Veltroni、1955年 7月3日 - ）は、イタリアの政治家であり、下院議員を5期務めました。ローマ市長（第62代）、副首相（第1次プローディ内閣）、文化財・文化活動相（第23代）、民主党書記長（初代）、左翼民主主義者書記長（初代）、ローマ市議会議員（1期）を歴任するなど、数々の要職を歴任しました。

生い立ちと初期のキャリア

ヴェルトローニはラツィオ州ローマ県ローマで生まれました。15歳でイタリア青年共産同盟（FGCI）に所属し、政治活動を始めました。1976年にはイタリア共産党（PCI）からローマ市議選に出馬し、初当選を果たしました。

国政への進出と党内での台頭

1987年、ヴェルトローニはイタリア総選挙・下院選でPCIから出馬し、下院議員に初当選しました。1988年には党全国書記局員に就任し、党内での地位を確立しました。彼はアキレ・オケットの側近として行動し、PCIの政権参画と社会民主主義政党への転換を目指し、1991年に左翼民主党（PdS）を結成しました。

1992年から1996年まで、ヴェルトローニは党機関紙「ルニータ」の編集長を務めました。ロマーノ・プローディとともに中道左翼連合（オリーブの木）を発足させ、政権交代を達成し、副首相に就任しました。その後、PdSは改称し、左翼民主主義者（DS）が発足、ヴェルトローニは党書記長に就任しました。

ローマ市長としての実績

2001年、ヴェルトローニはフランチェスコ・ルテッリの国政復帰と入れ替わる形でローマ市長選に出馬し、当選しました。彼は2期にわたりローマ市長を務め、都市の文化振興や観光客誘致に尽力しました。

民主党の結成と書記長就任

2007年、マルゲリータ（DL）とDSが合流し、新党・民主党（PD）が結成されました。ヴェルトローニは党書記長選挙に出馬し、75％の得票率を獲得して圧勝、初代書記長に就任しました。

首相候補としての挑戦と辞任

2008年、ヴェルトローニはローマ市長を辞職し、下院選にPDの首相候補として出馬しました。しかし、結果はシルヴィオ・ベルルスコーニ率いる自由の人民（PdL）が圧勝し、PDは下野することとなりました。ヴェルトローニは下院議員に復帰し、書記長職の留任を表明しましたが、2009年、サルデーニャ州知事選挙で民主党の現職候補が落選した責任を取り、書記長を辞任しました。

その後

2013年、ヴェルトローニは下院選に不出馬を表明し、政界を引退しました。

政治家としての評価

ヴェルトローニは、イタリア政界において、中道左派のリーダーとして、また、文化政策に熱心な政治家として知られています。彼は、イタリア共産党の改革を主導し、中道左派連合による政権交代を実現するなど、イタリア政治に大きな影響を与えました。

外部リンク

* Walter Veltroni - Il sindaco di tutti（公式サイト）

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