ワンサカ娘

ワンサカ娘（ワンサカむすめ）

レナウン株式会社のコマーシャルに用いられた、非常に有名な楽曲です。作詞・作曲は小林亜星氏によって手がけられました。

この曲は、それまでレナウンのCMで使用されていた「レナウンの唄」に代わる新しいサウンドとして、1961年に誕生しました。初代の歌唱は、かまやつひろし氏が担当しました。誕生以来、長期にわたりレナウンのCMソングとして親しまれることとなります。

特に、1964年に弘田三枝子氏が、翌1965年にはフランスの歌手シルヴィ・ヴァルタン氏がそれぞれカバーして歌唱したバージョンはよく知られており、多くの人々の記憶に残っています。その後も時代に合わせて、様々なアーティストによって歌い継がれていきました。

タイトルの「ワンサカ」という言葉は、たくさんの人や物が勢いよく集まる様子を表す日本語の擬態語です。この賑やかな言葉が、CMの華やかなイメージと合わさり、強い印象を与えました。

「ワンサカ娘」は1990年代頃まで、レナウンのテレビCMなどで頻繁に耳にする機会がありましたが、バブル経済の崩壊後、レナウンが広告戦略を見直し、テレビCMの制作・放映を縮小するに伴い、この楽曲が使用される頻度も次第に減少していきました。

しかし、時を経て2017年、レナウンがTBSラジオの番組『東京ポッド許可局』のスポンサーとなったことを契機に、この象徴的なCMソングが復活を遂げます。放送が再開された当初は、弘田三枝子氏が歌う懐かしいバージョンのCMが流されました。さらに同年6月からは、番組出演者であるマキタスポーツ氏、プチ鹿島氏、サンキュータツオ氏の3人組が歌う「レナウンおじさんバージョン」という新たなアレンジが登場。弘田バージョンと隔週で放送されることとなり、再び多くのリスナーに「ワンサカ娘」のメロディが届けられることになりました。

また、「ワンサカ娘」には、同じメロディを持ちながら異なる歌詞がつけられた姉妹曲が存在します。これは「太陽ハント」というタイトルで、真理アンヌ氏が歌唱しました。歌詞は横井弘氏が担当しています。

長年にわたり「ワンサカ娘」を歌唱した主な歌手は以下の通りです。

かまやつひろし
デューク・エイセス
渡辺トモ子、ジェリー藤尾
弘田三枝子
シルヴィ・ヴァルタン
ヒデとロザンナ
セルスターズ
関西学院フォークグループ
久美かおり
アン・ルイス
ZELDA
ラヴ・ポーション
イエイエ・ガールズ（田中美奈子、加藤麻由美、真木望）
サンディー&ザ・サンセッツ
宮田人司
渡辺かおる
ブロンド・オン・ブロンド
マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ

この楽曲は、複数のレコードやCDにも収録されています。代表的なものをいくつか挙げます。

ワンサカ娘'78 (1978年、東芝EMI) - ブロンド・オン・ブロンドによる歌唱を収録。
トレイン (1987年、日本コロンビア) - イエイエ・ガールズによる歌唱を収録。
YEYE-レナウン・ワンサカ娘 (1998年、f-records) - 渡辺かおるによる歌唱を収録。
レナウン ワンサカ娘 (2000年、日本クラウン) - この楽曲のみをフィーチャーしたコンピレーションCD。
* CMソング・グレイテスト・ヒッツ (2002年、テイチク) - 久美かおりによる歌唱のほか、異名同曲異歌詞曲である真理アンヌの「太陽ハント」も収録されています。

さらに、この楽曲は映画作品にも登場しています。2009年公開の映画『鴨川ホルモー』では、登場人物たちがこの曲を合唱しながら踊るシーンが描かれ、再び注目を集めました。

「ワンサカ娘」は、単なるCMソングに留まらず、昭和から平成、そして令和の時代にかけて、形を変えながらも多くの人々に愛され続けている、日本のポピュラー音楽史においても記憶されるべき一曲と言えるでしょう。

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