ワールドオーシャンファーム

株式会社ワールドオーシャンファームの概要

株式会社ワールドオーシャンファームは、東京都台東区上野に本社を置いていた企業で、資本金は8000万円でした。この会社は、魚介類の養殖や不動産への投資を名目に事業を展開していましたが、その実態は投資活動をほとんど行わず、詐欺的な目的で設立されたとされています。

特に著名なのは、会長が以前からマルチ商法に関与していた点で、彼は2003年1月に別のマルチ商法会社を倒産させた人物です。また、会長の息子も資金管理センター長として関与していたため、会社全体での不正行為が疑われました。

投資募集活動

株式会社ワールドオーシャンファームは2005年11月にその活動を開始し、「フィリピン国内のエビ養殖事業に投資すれば、1年で倍の配当が得られる」と謳い、約35,000人から850億円を集めました。しかし、実際にはこの事業はポンジ・スキームであり、集めた資金を配当として支払う自転車操業を行っていたとされています。

2007年初頭から配当が滞り始め、会社は「納税処理の問題」を理由に、半年後に一括配当をすると約束し、新たな資金を集めることを続けていました。しかし、この収益は実際には配当を維持するためのものであり、投資家にとっては完全な詐欺でした。

摘発とその後の経緯

事件の発覚は2007年2月に始まりました。この時、社長らが資金洗浄のために48億円をアメリカに送金したことが、FBIの捜査によって明らかになりました。この捜査がきっかけで、アメリカに滞在していた社長が問い詰められると、フィリピンに逃亡しました。その後、日本の報道番組『真相報道 バンキシャ!』の取材班がフィリピンで「東京ドーム450個分」と称される養殖場が存在しないことを報じると、全国で多くの被害者が声を上げるようになりました。

これを受けて、警視庁は捜査を開始し、会長は偽造パスポートを使い国外に逃走しましたが、2008年1月に出入国管理法違反で逮捕されました。その後、破産手続きが開始され、2008年5月22日に東京地方裁判所が破産手続き開始を決定しました。この決定により、株式会社ワールドオーシャンファームは法的に消滅しました。

2008年7月2日、会長とその関連者の10数人が詐欺容疑で再逮捕され、なかには詐欺を知りながら投資話を広めていた人々も含まれていました。最終的に、2009年5月28日に東京地方裁判所の裁判長である戸倉三郎は、元会長に対して懲役14年の判決を下しました。これが株式会社ワールドオーシャンファームの事件の一連の流れです。

関連項目

• - 悪徳商法
• - 詐欺罪

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