ワールド・トレード・センター駅 (パストレイン)

ワールド・トレード・センター駅：変遷と再生の歴史

ワールド・トレード・センター駅は、ニューヨーク市ロウアー・マンハッタンのワールド・トレード・センター内にあるパストレインのターミナル駅です。この駅は、ハドソン・ターミナルとしての開業から、旧ワールド・トレード・センター駅の解体、そして現在のワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブとしての再生まで、数々の歴史的な出来事を経てきました。

ハドソン・ターミナルから旧PATH駅へ

1909年7月19日、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道（後のパストレイン）のターミナル駅としてハドソン・ターミナルが開業しました。この駅の上には22階建てのツインタワーが建設され、オフィスとして利用されていました。しかし、第二次世界大戦後の道路トンネルの開通により、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道の利用者は減少し、1954年に破綻。その後、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社が同社を買収し、ハドソン・ターミナルはワールド・トレード・センター建設のために1972年に解体されました。

旧PATH駅は、ワールド・トレード・センターの敷地を掘って作られた広大な地下坑（ザ・バスタブ）の中に建設されました。しかし、この駅は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件によって完全に破壊されました。

仮設駅を経て、トランスポーテーション・ハブへ

テロ後、仮設のPATH駅が2003年に再開業し、ニューアーク-ワールド・トレード・センター線およびホーボーケン-ワールド・トレード・センター線のターミナル駅としてサービスを提供しました。この仮設駅は、ワールド・トレード・センター・サイトの再開発に伴い、エントランスや配置が何度も変更されました。

そして2016年3月3日、大幅な再建工事を経て、新しい駅舎がワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブとして開業しました。この新しいハブは、スペイン人建築家サンティアゴ・カラトラバによって設計され、ナショナル・セプテンバー11・メモリアルプラザの地下に位置し、鉄道駅と広々としたメザニンで構成されています。

トランスポーテーション・ハブの機能

このハブは、単なる駅としての機能だけでなく、周辺の交通機関へのアクセスを容易にする役割も担っています。PATHとニューヨーク市地下鉄システムを地下で接続し、ロウアー・マンハッタンの様々な交通機関の乗り場を結ぶ歩行者通路が設けられています。さらに、テロで破壊された小売施設モール・アット・ザ・ワールド・トレード・センターを再建した、ウエストフィールド・ワールド・トレード・センターモールも併設されています。

また、ウエスト・コンコースと呼ばれる地下通路によって、ブルックフィールド・プレイスとも接続されており、利便性が向上しています。

駅の構造

現在の駅は、地下4階に3つの両側プラットホームを持っています。プラットフォームAは現在は壁で分断されており、2番、3番、そして新しい4番線が使用されています。プラットフォームAは平日にホーボーケン-ワールド・トレード・センター線のみが使用し、ニューアーク-ワールド・トレード・センター線は旧4番線と5番線の間の古いプラットフォームを使用します。

乗り換え案内

現在の駅のエントランスは、旧駅と異なり、近隣の地下鉄駅の乗り場と直接つながっていません。しかし、ヴィージー・ストリートが歩行者専用通路として機能し、地下鉄駅とPATH駅の間の地上通路となっています。また、コートランド・ストリート駅ともつながっています。

このハブは、PATHとニューヨーク市地下鉄システムを結ぶために建設され、1系統路線が再建され、PATHメザニンの上を通過します。そして、再建後のWTCコートランド駅はこのハブに直接繋がります。さらに、チェンバーズ・ストリート–ワールド・トレード・センター/パーク・プレイス複合駅、コートランド・ストリートIRT駅、そしてコートランド・ストリートBMT駅とも直接接続される予定です。

デイ・ストリート・パッセンジャーウェイを通ればフルトン・センターにアクセスでき、2, 3, 4, 5, A, C, J, N, R, W, Z系統の地下鉄を利用できます。また、ウエスト・コンコースを通ってブルックフィールド・プレイスへ、さらにバス路線も利用可能です。

将来計画

将来的には、ワールド・トレード・センター・サイトからロングアイランド鉄道およびジョン・F・ケネディ国際空港へ接続する計画も提案されていますが、現時点では進展がありません。

総工費と批判

このトランスポーテーション・ハブの総工費は37億4千万ドルに達し、建設の遅延も批判の対象となっています。

結び

ワールド・トレード・センター駅は、その歴史と変遷を通じて、ニューヨークの交通網における重要な役割を果たしています。そして、最新のトランスポーテーション・ハブとして、今後の発展が期待されます。

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