WTCコートランド駅

WTCコートランド駅について

WTCコートランド駅（WTC Cortlandt）は、ニューヨーク市地下鉄 IRTブロードウェイ-7番街線に位置する駅です。マンハッタン区のフィナンシャル・ディストリクト、ワールドトレードセンター内にあり、1系統が終日停車します。この駅は、かつてグリニッジ・ストリートとコートランド・ストリートの交差点があった場所に建設されました。

開業と改修

駅は、インターボロー・ラピッド・トランジット（IRT）によって1918年7月1日にコートランド・ストリート駅として開業しました。その後、1960年代にワールドトレードセンター建設に伴い改修が行われ、駅の上を通っていたコートランド・ストリートは撤去されました。

アメリカ同時多発テロの影響

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで、ワールドトレードセンターが崩落し、そのほぼ真下に位置していた当駅は甚大な被害を受けました。駅は営業を休止し、路線自体は2002年に運行を再開しましたが、駅の再建は大幅に遅れました。これは、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社が、パストレインの終着駅であるワールドトレードセンター駅の再建を優先したためです。

再建と営業再開

最終的に、1億5800万ドルの費用をかけて駅は再建され、2018年9月8日にWTCコートランド駅として営業を再開しました。この際、駅名はワールドトレードセンターの最寄駅であることと、元の駅名であるコートランド・ストリート駅に敬意を表して改称されました。

駅の構造と接続

駅からはパストレインワールド・トレード・センター駅のほか、連絡通路を通じてBMTブロードウェイ線コートランド・ストリート駅、さらに地下鉄乗換通路経由でIND8番街線・IRTブロードウェイ-7番街線チェンバーズ・ストリート-ワールド・トレード・センター/パーク・プレイス駅、デイ・ストリート連絡通路・フルトン・センター経由でIND8番街線・IRTレキシントン・アベニュー線・IRTブロードウェイ-7番街線・BMTナッソー・ストリート線フルトン・ストリート駅に接続しています。

歴史の詳細

初期の歴史

IRTブロードウェイ-7番街線のシャトル列車は、1917年6月3日にタイムズ・スクエア-42丁目駅から34丁目-ペン・ステーション駅まで運行区間を延長しました。その後、1918年7月1日に運転区間をサウス・フェリー駅まで延長し、この時に当駅はコートランド・ストリート駅として開業しました。1918年8月1日には、新しい「H」システムが導入され、タイムズ・スクエア-42丁目駅以北を走行する全てのIRTブロードウェイ-7番街線列車はサウス・フェリー駅方面行きとなりました。これにより、42丁目駅から分岐しグランド・セントラル駅へ向かっていた列車は、現在の42丁目シャトルとなり、両駅間の往復運転となっています。

1965年、駅の上を通っていたコートランド・ストリートは、ワールドトレードセンターの建設のために撤去されました。これにより、当駅はコートランド・ストリートという名前でありながら、コートランド・ストリートに出ることができなくなりました。1965年と1966年には、駅ホームの有効長を10両へ延ばす延長工事が行われ、古いタイルとモザイク装飾は撤去され、新しい黄褐色のレンガに置き換えられました。モザイク装飾の一部はニューヨーク交通博物館に保存されています。

1980年代には、メトロポリタン・トランスポーテーション・オーソリティ（MTA）が、駅に新しい時刻表を設置しました。これは、古い時刻表や路線図が不正確であったためです。

1993年2月26日のワールドトレードセンター爆破事件の影響で、列車は当駅を迂回しました。2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ直前には、コートランド・ストリート駅は1日あたり19,446人の乗客が利用していました。

アメリカ同時多発テロ

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロで、ワールドトレードセンターのビル2棟が崩落しました。駅は地下40フィート（12メートル）という比較的浅い場所に位置していたため、ビルの崩落の衝撃を大きく受け、駅の鉄骨が潰れ、天井が崩落し、線路とホームが瓦礫で覆われました。これにより、IRTブロードウェイ-7番街線はチェンバーズ・ストリート駅以南が不通となりました。

再建プランとして、崩落箇所を復旧する案と、チェンバーズ・ストリート駅から分岐し、ボロー・ホール駅へ向かう線路を利用する案が検討されました。最終的に既存の線路を使用する案が採用され、レクター・ストリート駅とサウス・フェリー駅への運行を再開するために、駅は完全に解体され、ホームがあった場所にはトンネル壁面が作られました。

再建と遅延

2007年、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社は、パストレインワールド・トレード・センター駅の再建における環境影響に関する声明で、コートランド・ストリート駅は2009年頃に営業再開すると見込んでいました。しかし、港湾公社とMTAの間で費用負担に関する意見の相違が生じ、再建は遅延しました。

最終的に、2013年に港湾公社が駅を再建する契約を結び、2015年2月には港湾公社とMTAが駅の仕上げ作業に合意しました。その後、駅の再建工事が進み、2018年9月8日にWTCコートランド駅として営業再開しました。

駅の構造

開業当初の駅は、グリニッジ・ストリートとコートランド・ストリートの交差点に建設されました。相対式ホーム2面と線路2線を有する地下駅で、1965年の改修前には、モザイク装飾が壁に沿って設置されていました。

再建された駅は、元の駅と同じ場所にあります。ホームには灰色の柱が立ち、「WTC Cortlandt」と書かれた駅名標が設置されています。ホームの壁面には「World Trade Center」と書かれた駅名標が設置されています。ホーム北端には南北ホームを結ぶ連絡通路があり、駅には空調も設置されています。

駅には、2018年にアン・ハミルトンによって製作されたアートワーク「CHORUS」が設置されており、駅の壁面全体にわたって浮き彫りで文章が刻まれています。この文章は、世界人権宣言やアメリカ独立宣言など、さまざまな文書から引用されています。

出口

再建された駅は、地下鉄コートランド・ストリート駅、チェンバーズ・ストリート-ワールド・トレード・センター/パーク・プレイス駅、フルトン・ストリート駅、パストレインワールド・トレード・センター駅に接続しています。駅には4つの出入口があり、パストレイン駅の駅舎として知られる「オキュラス」の西側に位置しています。駅はADAに準拠しており、ビージー・ストリートからのエレベーターが南行ホームに接続しています。

2001年9月11日まで、駅の終日開いている改札口は駅の北端に位置していました。また、ワールド・トレード・センター・コンコースへは、平日の午前6時40分から午後10時の間のみ開かれる改札口から接続していました。さらに、駅の南端からは4 ワールド・トレード・センターを経由してリバティー・ストリートに出ることができました。

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