ワールド・ベスト・レースホース・ランキング

ワールド・ベスト・レースホース・ランキング：世界最高峰の競走馬格付けシステム

はじめに

ワールド・ベスト・レースホース・ランキング（World's Best Racehorse Rankings; WBRR）は、国際[[競馬統括機関連盟]]（IFHA）が発表する、世界中のサラブレッド競走馬の格付けシステムです。時計メーカーのロンジン社が公式スポンサーとなり、現在は「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」とも呼ばれています。このランキングは、世界各地の競走馬の能力を客観的に比較し、世界最高の競走馬を決定する重要な指標となっています。

歴史と変遷

WBRRの起源は、1977年にイギリス、フランス、アイルランドの3ヶ国で開始された「インターナショナル・クラシフィケーション」にまで遡ります。その後、参加国・地域は拡大されましたが、競馬シーズンの開始時期が国・地域によって異なるため、世界規模での統一的なレーティング作成に課題がありました。

この課題を解決するため、2004年度からは年間2回（1月と8月）、全世界を対象としたレーティングを発表する体制に移行。8月発表分は主に前年8月から当該年7月までの成績を基にしています。上位50頭については、1月、8月を含む年間5回程度の発表が行われています。また、2004年～2007年までは「ワールド・サラブレッド・レースホース・ランキング」、2008年からは「ワールド・サラブレッド・ランキング」という名称が用いられていました。

レーティングの算出方法

国際レーティングは、IFHA加盟各国から集まったハンディキャッパーらが会議を行い、翌日に110ポンド（約50kg）以上のレーティングを獲得した競走馬を発表します。レーティングは、年齢別（2歳、3歳、4歳以上）、コース（芝、ダート）、距離別に算出されます（2歳馬は距離別カテゴリーなし）。

レーティングの算出には、各競走の1着から4着までの入線馬の平均レーティングが重要な要素となり、GI競走では115、GII競走では110、GIII競走では105以上の平均レーティングが求められます。性別や産地による減量分は、レーティング算出において考慮され、比較時にはその分を加算して評価されます。例えば、牝馬に2kgの減量がある場合は、レーティングに4ポンドを加算します。

レーティングの見直し

2013年1月には、1977年から1990年代までのレーティングが、その後の評価と比べて高すぎる傾向にあったとして、見直しが行われました。1977年から1991年にかけて、年ごとに1～7ポンドの減点修正が行われました。これにより、ダンシングブレーヴやアレッジドなど、過去の伝説的名馬のレーティングも修正されました。

日本との関わり

日本では、WBRRを参考に「JPNサラブレッドランキング」が毎年1月と8月に発表されています。このランキングには、世界各地の競走で100ポンド以上の評価を得た日本調教馬と、国際競走などで日本で行われた競走に出走した外国調教馬が対象となります。日本における競走馬のレーティングの歴史は古く、1962年から中央競馬会によるフリーハンデが発表され、1997年には国際基準に合わせたレーティングが導入されました。

関連用語

フリーハンデ: 年間を通して競走馬を重量で格付けするもの。
インターナショナル・クラシフィケーション: 国際間で取り決めた格付け（レーティング）。
レーティング: 評価、格付け。
アローワンス: 年齢、性別、産地に応じて許される重量のこと。
ポンド表記: 1ポンド=0.453592kg。
ベストパフォーマンス: 年間の全ての競走で発揮したレートの中で最も高いもの。
レースレーティング: 各競走の1～4着までのレーティングの平均値。
基準馬: レーティングを決める際の目安となる馬。

結論

WBRRは、世界中の競走馬の能力を比較する上で非常に重要な指標であり、競馬界の発展に大きく貢献しています。その歴史、算出方法、そして日本との関わりを理解することで、競馬をより深く楽しむことができるでしょう。

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