スプリト＝ダルマチア郡

スプリト＝ダルマチア郡

スプリト＝ダルマチア郡は、クロアチアのダルマチア地方に位置する郡で、郡都はスプリトです。この地域は、地理的に大きく3つの部分に分かれています。

内陸部（ダルマティンスカ・ザゴラ）: 標高の高い地域で、カルスト地形が広がっています。
沿岸部: 細長く、人口が集中しています。
島嶼部: 多数の島々から構成されています。

ディナル・アルプス山脈の一部を構成する山々が、ボスニア・ヘルツェゴビナとの国境となっています。主要な山としては、ディナラ山、コジャク山、モソル山、ビオコヴォ山などがあり、これらの山々が沿岸部と内陸部を隔てています。

経済

この地域の主要な経済活動は観光業です。製造業や農業は縮小傾向にあります。近年は観光客誘致に力を入れており、美しいアドリア海と豊かな自然を生かした観光が盛んです。

交通

スプリト＝ダルマチア郡は、交通の便が良い地域です。スプリト、ザダル、カルロヴァツ、ザグレブを結ぶ高速道路や、リカと繋がる鉄道が利用できます。スプリト・カシュテラ国際空港は、夏季には観光客向けのチャーター便が多数発着します。ブラチ島にも小規模な飛行場があります。

主要都市

内陸部: シニ、イモツキ、ヴルゴラツなどがあります。
沿岸部: スプリト（郡都）、トロギル、オミシュ、マカルスカなどがあります。
島嶼部: スペタル（ブラチ島）、フヴァル（フヴァル島）、スタリー・グラード（フヴァル島）、ヴィス（ヴィス島）、コミジャ（ヴィス島）などがあります。ただし、島嶼部では人口流出が進み、町の規模は縮小傾向にあります。

住民

2001年の国勢調査によると、スプリト＝ダルマチア郡の人口は463,676人です。住民の大多数はクロアチア人で、その割合は96.30%を占めています。

歴史

「ダルマチア」という名前は、紀元前1千年紀にアドリア海沿岸に居住していたイリュリア人の氏族ダルマタエに由来します。紀元前4世紀から紀元前220年代のイリュリア戦争まではイリュリア王国の一部でした。紀元前168年には、共和政ローマがネレトヴァ川以南に保護領を設置しました。ダルマチアという地域呼称は、紀元前2世紀中ごろにネレトヴァ川からクルカ川までの地域を指して使われ始めたと考えられています。その後、紀元前32年から紀元前27年にかけてイリュリクム属州が公式に設置されるまでの間に、徐々にローマ帝国の所領となりました。

ダルマチアは、ローマ帝国のイリュリクム属州の一部となりました。西暦9年には、パンノニアとともに大規模な蜂起が起こりましたが、鎮圧され、10年にイリュリクム属州はパンノニア属州とダルマチア属州に分割されました。ダルマチアはローマ皇帝ディオクレティアヌスの生まれた地であり、彼の隠居地としてスプリトにディオクレティアヌス宮殿が建設されました。

自治体

スプリト＝ダルマチア郡は、16の都市（grad）と39のオプチナ（općina）から構成されています。都市とオプチナは、ともに郡の下位に属する同じレベルの自治体ですが、一般に都市の方が規模が大きいです。

都市

フヴァル、イモツキ、カシュテラ、コミジャ、マカルスカ、オミシュ、シニ、ソリン、スプリト、スタリー・グラード、スペタル、トリリ、トロギル、ヴィス、ヴルゴラツ、ヴルリカ

オプチナ

バシュカ・ヴォダ、ボル、ブレラ、プロヴォ、ディツモ、ドゥギ・ラト、ドゥゴポリェ、グラダツ、フルヴァツェ、イェルサ、クリス、レチェヴィツァ、ロクヴィチチ、ロヴレチュ、マリナ、ミルナ、ムチ、ネレジシュチャ、オクルグ、オトク、ポドバブリェ、ポドゴーラ、ポドストラナ、ポスティラ、プルゴメト、プリモルスキ・ドラツ、プロロジャツ、プチシュチャ、ルノヴィチ、セゲト、セルツァ、スチュライ、スティヴァン、シェスタノヴァツ、ショルタ、トゥチェピ、ザドヴァリェ、ザグヴォズド、ズミヤヴツィ

郡政府

郡の長官（Župan）は、クロアチア民主同盟のアンテ・サナデルです。郡議会は51議席で構成されています。

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