ヴィラーゴ (駆逐艦)

ヴィラーゴ (HMS Virago, R75/F76)

ヴィラーゴは、イギリス海軍の駆逐艦であり、V級の艦艇です。その名は「口やかましい女性」や「女傑」を意味する言葉に由来しており、この名を持つ艦は4代目にあたります。

艦歴

ヴィラーゴは1942年2月16日にタイン・アンド・ウィアのスワン・ハンター社で起工され、1943年2月4日に進水しました。その後、同年11月5日にアーチボルド・ジョン・ラムゼー・ホワイト少佐のもと、正式に就役しました。

北極海の戦い

ヴィラーゴは本国艦隊第26駆逐艦戦隊に配属され、1944年にかけて北極海での援ソ船団の護衛任務に従事しました。特に注目すべきは、1943年12月26日に北岬沖海戦に参加し、ドイツ海軍の戦艦シャルンホルストに近づいて魚雷を発射、これを撃沈した功績です。また、1944年4月にはタングステン作戦に参加し、戦艦ティルピッツを攻撃する機動部隊の護衛も行いました。

ノルマンディー上陸作戦

1944年6月、ヴィラーゴはノルマンディー上陸作戦にも参加しました。上陸初日には、揚陸指揮艦や歩兵揚陸艇を護衛し、上陸後は地上部隊に対する支援砲撃や護衛任務を遂行しました。8月にはモルデ地域への航空機による機雷敷設を行う空母群の護衛を担当しました。

極東での活動

1945年に入ると、ヴィラーゴは東インド諸島艦隊に配属され、インド洋やビルマ沿岸での任務を遂行しました。その途中で、マレー半島沖で日本の船団を攻撃し、全滅させる作戦を展開しました。さらに、友軍艦艇の護衛やビルマの日本軍に対する攻撃も行い、重要な役割を果たしました。

戦後の動向

戦後、ヴィラーゴはマレー半島の再占領任務に従事し、その後は香港を拠点に活動を続けました。1946年には地中海艦隊第3駆逐艦戦隊に配属され、エリザベス2世女王の戴冠に際する観艦式にも参加しました。1951年から1953年にかけて改修され、再び本国艦隊に戻りますが、1963年には廃棄リストに載り、最終的には解体されました。

栄典

ヴィラーゴは、第二次世界大戦中の戦功によって5つの戦闘名誉章を受賞しています。

• - Arctic 1943-44
• - North Cape 1943
• - Normandy 1944
• - Malaya 1945
• - Burma 1945

その活躍は、イギリス海軍の歴史において重要な位置を占めています。

もう一度検索