ヴェネツィアの潟

ヴェネツィアの潟

ヴェネツィアの潟（ヴェネツィアのかた、イタリア語: Laguna di Venezia）は、イタリア北部のアドリア海に沿った特異なラグーナです。この潟は約6,000年前から7,000年前にかけて形成されました。氷河が融解することで、アドリア海岸に広がる海が生まれ、以後ポー川から運ばれてきた土砂が堆積し、心地よい砂州や潟を作り出しました。これにより、その地形は徐々に現在の姿になっています。

特に15世紀から16世紀にかけて、地元の人々は干潟の開発に積極的に取り組みました。元々は湿地であったこの地域に灌漑が施され、さまざまな島々が人々によって住みやすくなり、今では多種多様な動植物が生息する貴重な生態系を維持しています。

潟に浮かぶ島々

ヴェネツィアの潟には、多くの島々が点在しています。その中でも特に面積が大きい島々を以下に示します。

1. ヴェネツィア本島（Venezia） - 面積5.17km²
2. サンテラズモ島（Sant'Erasmo） - 面積3.26km²
3. ムラーノ島（Murano） - 面積1.17km²
4. キオッジャ島（Chioggia） - 面積0.67km²
5. ジュデッカ島（Giudecca） - 面積0.59km²
6. マッツォルボ島（Mazzorbo） - 面積0.52km²
7. トルチェッロ島（Torcello） - 面積0.44km²
8. サンテーレナ島（Sant'Elena） - 面積0.34km²
9. ラ・チェルトーザ島（La Certosa） - 面積0.24km²
10. ブラーノ島（Burano） - 面積0.21km²
11. トロンケット島（Tronchetto） - 面積0.18km²
12. サッカ・フィゾーラ島（Sacca Fisola） - 面積0.18km²
13. サン・ミケーレ島（San Michele） - 面積0.16km²
14. サッカ・セッソラ島（Sacca Sessola） - 面積0.16km²
15. サンタ・クリスティーナ島（Santa Cristina） - 面積0.13km²

さらに、カヴァッリーノ島、リード島、ペッレストリーナ島など、その他の島々も含め、たくさんの小さな島々がこの地域に点在しています。これらの島々はそれぞれ独自の魅力を持ち、観光スポットとしても人気があります。

自然保護と国際的な重要性

この潟の中には、ヴェネツィア県のカンパーニャ・ルーピアに位置するヴァッレ・アヴェルト（Valle Averto）があります。ここは、養魚池として改造された潟湖であり、500ヘクタールの面積があるこの地域は、ラムサール条約による「国際的に重要な湿地」として登録されています。これは、潟が持つ豊かな生態系とその保護の重要性を示すものです。

MOSEプロジェクトと未来への取り組み

ヴェネツィアの潟の保護策の一環として、MOSEプロジェクトという計画が進行中です。このプロジェクトは、海水面上昇による影響から地域を守るため、潟の入り口に水門を設置することを目的としています。このように、ヴェネツィアの潟は過去の歴史を経て、現在も地域の人々にとって重要な存在となっています。未来に向けた持続可能な対策が求められる中で、豊かな自然と文化遺産を守り続けるための努力が続けられています。

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