ヴォログダ

ヴォログダ：ロシアの魅力と歴史

ヴォログダ（Вологда, Vologda）は、ロシア連邦ヴォログダ州の州都であり、人口は約31万人（2021年時点）です。スホナ川と北ドヴィナ川を経て白海に流れ込むヴォログダ川に面しており、モスクワからは北へおおよそ500キロメートルの距離にあります。この地域は、特に高品質のチーズやバターの生産地として広く知られています。

歴史の足跡

ヴォログダにおける歴史の最初の記録は1147年のノヴゴロド公国の年代記に見られ、当時は深い森の中に村と教会が存在しました。ノヴゴロドの住民たちは、白海から遡った小舟をヴォログダ川から引き上げ、さらにヴォルガ川の支流へと運ぶ交易を行っていました。これにより、彼らは北欧や白海地域からギリシャやペルシャにかけての交易を支えました。1273年にはモンゴル帝国の襲撃を受け、その際の影響は計り知れません。

中心地から2キロメートルの位置には、スパソ＝プリルツキー修道院があり、これは1371年にラドネジの聖セルギイの弟子によって創設されました。この修道院は、ドミトリイ・ドンスコイの支援を受け、北部で重要な大地主へと急成長します。現在の建物は大動乱期にポーランド軍によって攻撃を受けた後、修復されました。ソ連時代には閉鎖され博物館として機能しています。

1412年にヴォログダはノヴゴロド公国からモスクワ大公国に譲渡され、最北部の前哨地としての役割を果たし、都市としての重要性が高まりました。15世紀末には、ヴォログダは従来の中心都市であったベロゼルスクに代わり、ロシア北方の中心的な都市となりました。

発展の歴史

イヴァン雷帝の命により、1570年には聖ソフィア大聖堂が完成されました。この聖堂は、当時のロシアで最大級のものであり、それ以降、ヴォログダは北ドヴィナ川や白海を通じたヨーロッパとの交易路の要所として急速に発展しました。特に、イギリスのムスコヴィ会社を通じた交易は大変盛んでした。また、スホナ川やヴィチェグダ川を経由してシベリアとの間の交易でも重要な役割を果たしていました。1780年にはエカチェリーナ2世によってヴォログダ県の県都とされるなど、その発展は続きました。

姉妹都市と文化

ヴォログダはその歴史的背景だけでなく、国際的にもつながりを持っています。現在、ズヴォレ（オランダ）、ミシュコルツ（ハンガリー）、ロンドンデリー（アメリカ合衆国）、コウヴォラ（フィンランド）、ストラスブール（フランス）、エランクール（フランス）、フロドナ（ベラルーシ）、ブルガス（ブルガリア）など、多くの姉妹都市があります。

また、ヴォログダ出身の著名な人物には、作家ウラジーミル・ギリャロフスキーや反体制作家のヴァルラーム・シャラーモフがいます。彼らはそれぞれ、帝政末期からソ連時代にかけての歳月を通じてロシア文学に多大な影響を与えてきました。

ヴォログダはその美しい自然環境や多様な文化的背景を持つ都市であり、歴史と現代が交錯する魅力的な場所です。

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