ヴォンブジェジノ

ヴォンブジェジノ（Wąbrzeźno）

ポーランド北部に位置するクヤヴィ＝ポモージェ県に属し、主要都市トルンから北東へ約35キロメートルに位置する町です。行政的にはヴォンブジェジノ郡の郡都として重要な役割を担っています。歴史的にはドイツ語でブリーゼン（Briesen）と呼ばれていました。

特に、1920年にノーベル化学賞を受賞した物理化学者、ヴァルター・ネルンストの生誕地として知られています。

その名は古代スラブ語に由来するとされ、『カバノキの間に位置する場所』を意味すると言われています。

歴史

ヴォンブジェジノの歴史は古く、その起源は8世紀に遡ります。古代の主要な通商路が、二つの湖、フリーデック湖（Friedecksee）とシュロス湖（Schlosssee）の間を通る地点に、スラブ民族が居住地と防御用の柵を設けたのが始まりと考えられています。考古学調査からも、この初期の集落が現在のヴォンブジェジノの礎となったことが示唆されています。

この地域は歴史的にクルムラント（Chełmno Land）の一部であり、10世紀にはポーランド公ミェシュコ1世によってポーランド王国に編入されました。

13世紀に入ると、この地方はプルーセン人による略奪に悩まされるようになります。当時のマゾフシェ公コンラトは、プルーセン人の脅威がポーランド各地に及ぶ状況に対処するため、ドイツ騎士団に協力を求めました。その結果、1231年にはドイツ騎士団がクルムラントの支配権を獲得し、ここを拠点としてプルーセン人に対する軍事行動を展開しました。

ヴォンブジェジノの名が歴史上の記録に初めて現れるのはこの頃です。1243年7月28日、ローマ教皇特使ヴィルヘルム・フォン・モデナは、ドイツ騎士団が征服したプルーセンの土地を騎士団とクルム主教の間で分割することを定めました。これに基づき、1246年4月19日には教皇インノケンティウス4世の名の下、ヴォンブジェジノの地はクルム主教の所領と正式に確認されました。

1251年には、使徒シモンと使徒ユダ・タダイに捧げられた協同教会が建設されました。この頃、ドイツ騎士団はこの地をフリーデックと呼んでいました。

14世紀初頭、クルム主教ヘルマン・フォン・プリズナの主導により、協同教会は石造りで再建され、さらに市壁が築かれ、街の北西には堅固な城が建設されました。この城は1773年までクルム主教の居城として機能しました。しかし、ポーランドとドイツ騎士団の間で戦われた十三年戦争（1454年-1466年）の最中、街、城、そして周辺の村々は徹底的に破壊されるという悲劇に見舞われました。

戦争終結後の1466年、第二次トルンの和約によって、ヴォンブジェジノは王領プロイセン（プロイセン王国領ではなくポーランド王冠領の一部）として、ポーランド・リトアニア共和国に再び併合されました。

その後も街は試練を受け続けます。1655年には、スウェーデン・ポーランド戦争の影響でスウェーデン軍により大きな被害を被り、1700年には大規模な火災が発生して街の中心部が焼失しました。

1772年の第一次ポーランド分割によって、ヴォンブジェジノはプロイセン王国の支配下に入りました。ただし、1807年から1815年まではワルシャワ公国の一部でした。プロイセン領となった1788年には、地名がドイツ語のブリーゼンに変更されます。その後、この地は西プロイセン州に属することになります。1792年に再び火災が発生した際には、街の復興のためにかつての城の石材が利用されました。

プロイセン支配下のブリーゼンは、伝統的に農業とビール醸造が主要な産業でした。19世紀中頃からは工業化の波が押し寄せます。交通の要衝としての利点を活かし、1848年までに道路や鉄道網が整備され、市内電車も運行を開始しました。20世紀初頭には、セメント工場、人造石工場、機械工場、自動車組立工場などが操業し、近代化されたビール醸造所、乳製品工場、製粉所、煉瓦工場なども発展しました。1887年には、西プロイセン州ブリーゼン県の県都となりました。

第一次世界大戦後、1920年1月20日に新生ポーランド国家に編入され、再びヴォンブジェジノと呼ばれるようになり、ヴォンブジェジノ郡の郡都としての地位を得ました。

しかし、平穏な時は長く続きませんでした。1939年から1945年まで、街はナチス・ドイツによる過酷な占領下に置かれます。この期間、多くのポーランド市民がポトゥリチェやトルンなどの強制収容所に送られ、その土地は没収されました。代わって、ガリツィアやベッサラビアなどから移住させられた「民族ドイツ人」がこれらの土地に入植しました。

第二次世界大戦末期の1945年1月24日、ソビエト赤軍第65軍が街に進攻しました。大きな抵抗はなかったため、戦闘による損害は比較的少なかったと記録されています。この地域での戦闘で命を落とした121名の赤軍兵士は、ヴォンブジェジノの墓地に埋葬されました。しかし、解放後まもなく、ソビエトの占領地で一般的に行われたNKVD（内務人民委員部）による「浄化」が始まりました。同年2月中頃まで続いたこの作戦により、街の住民261人を含む、この地方の合計776人がソビエトの強制労働所へ連行されました。連行された人々の多くは、移送中や強制労働所での劣悪な環境により、数週間以内に命を落としたとされています。犠牲者の多くはポーランド市民でありながら、「ドイツ民族リスト」に分類された人々でした。年齢層は14歳から75歳と幅広く、女性も全体の32.8%を占めていました。

1945年以降、ヴォンブジェジノは再びポーランド領の一部となりました。行政改革により、1975年には一時的に郡都の地位を失いましたが、1999年の地方行政制度改革で再び郡都に復帰し、現在に至ります。

姉妹都市

* ジーケ（ドイツ）

もう一度検索