一ノ瀬康子

一ノ瀬 康子（いちのせ やすこ）は、1959年6月11日に神奈川県横浜市で生まれた、日本の元女優です。本名は初又 康子。

学生時代は、地元横浜市の関東学院中学校で陸上部に所属し、身体能力を発揮しました。その後、同高校に進学し、フォークソング部でボーカルを務めるなど、多才な一面を見せていました。

芸能界へ足を踏み入れるきっかけは、ある占い師の興味深い言葉でした。占いの結果が「大器晩成型の女優」というものだったそうで、この予言に背中を押される形で女優を目指し、芸能界入りを決意しました。活動開始と同時に、堀越高等学校の芸能コースに編入し、学業と仕事の両立を図りました。

堀越高等学校には、後に各界で名を馳せる多くの同級生がいました。昭和53年（第29回）の卒業生には、榊原郁恵さん、荒木由美子さん、伊藤咲子さん、大場久美子さん、片平なぎささん、北村優子さん、林寛子さん、村地弘美さん、山本百合子さん、浦部雅美さん、三谷晃代さんといった女優やアイドルたちに加え、草川祐馬さん、囲碁棋士の小林覚さんなどがおり、活気ある学生生活を送っていたことがうかがえます。

女優としては、映画やテレビドラマを中心に、多数の作品に出演し、その演技で視聴者や観客を魅了しました。

主な出演作品

映画

獄門島（1977年、東宝）：金田一耕助シリーズの一つとして知られるこの作品で、鬼頭花子役を演じ、女優としての一歩を踏み出しました。
きらめきの季節（1980年、松竹）：この青春映画では主演を務め、鮎沢久美子役として作品の中心を担いました。

テレビドラマ

連続テレビ小説をはじめ、多岐にわたるジャンルのドラマに出演しています。

連続テレビ小説（NHK総合）：朝の顔として親しまれるシリーズに、『雲のじゅうたん』（1976年）と『いちばん星』（1977年）の2作品に出演しています。
気まぐれ本格派（1977年 - 1978年、NTV）：ユニオン映画制作のこのドラマで、山本鳩子役を演じました。
ナッキーはつむじ風（1978年 - 1980年、TBS）：体操部を舞台にした青春ドラマで、山辺京子役としてレギュラー出演しました。
花よめは16歳（1979年 - 1980年、ANB）：東映制作のこの作品では、水泳部のエースである早崎由香役を演じています。
あさひが丘の大統領 第26話（1980年、NTV）：ユニオン映画制作の学園ドラマにゲスト出演。
猿飛佐助 第11話（1980年、NTV）：あやめ役で出演しました。
土曜ワイド劇場「濡れた心〜レズビアン殺人事件〜」（1981年4月18日、ANB）：単発のミステリー作品に出演、御厨典子役。
大江戸捜査網（12ch）：江戸を舞台にした時代劇シリーズに、第494話（1981年）、第500話（1981年）でおえい役、第539話（1982年）と複数回にわたりゲスト出演しました。
はらぺこ同志（1982年、TBS）：若林悦子役で出演。
噂の刑事トミーとマツ 第2シリーズ 第10話（1982年、TBS）：大映テレビ制作の人気刑事ドラマに、三田村愛子役でゲスト出演しました。
西部警察（ANB）：社会派アクションドラマの金字塔ともいえるこのシリーズに、第120話（1982年）とPART-II 第38話（1983年）に清水陽子役で出演しました。
ザ・ハングマン（ABC）：法の網をかいくぐる悪を裁く人気シリーズに、『ザ・ハングマンII』第5話（1982年）で新倉義子役、『新ハングマン』第11話（1983年）で相沢京子役として出演しました。
花王愛の劇場 夫婦（1982年、TBS）：昼ドラとして放送された本作で田代弘子役を務めました。
右門捕物帖 第2話（1982年、NTV）：時代劇にゲスト出演。
遠山の金さん 第75話（1983年11月17日、ANB）：おちかとお光という一人二役を演じ、その演技力を見せました。
京都マル秘指令 ザ新選組 第12話（1984年、ABC）：松竹制作の京都を舞台にしたアクションドラマにゲスト出演。
あいつと俺 第9話（1984年、TX）：1980年に製作された作品にゲスト出演。

ラジオ

俳優業だけでなく、ラジオパーソナリティとしても活動しました。

日産ディーゼル ミュージック・ロード 夜はまだまだ （ラジオ関西）：1983年4月から始まったこの深夜番組で、川上涼子さんと共にマイクに向かいました。

一ノ瀬康子さんは、占い師の言葉から始まったキャリアを通じて、多岐にわたるメディアで活躍し、日本のエンターテイメント界に確かな足跡を残しました。

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