一合マス

一合マス（いちごうマス）

一合マスとは、囲碁における隅の特殊な死活の形を指す言葉です。具体的には、隅にできる四角い黒の塊（下図参照）を指し、その大きさが一合の枡程度であることから、この名前が付けられました。

基本的な攻防

白が先に打つ場合、黒はコウになるように抵抗するのが基本です。白1と打てば、黒は2とツケるのが正しい対応です。白3のツキアタリから、以下白9のマガリまで進むと、黒はaのホウリコミでコウになります。このコウは、白が取り返す番となるため、白有利に見えます。

しかし、一合マスは単純な形に見えても、その変化は非常に複雑です。周囲のダメが空いていたり、星の位置に石がない場合、あるいは一線にハネやサガリがある場合など、さまざまな条件によって結果が大きく変わります。

変化の例：カド欠け一合マス

例えば、星の位置に石がない「カド欠け一合マス」の場合、白が1と置いたとき、黒が2とツケても、白3のツキアタリから以下の手順でaとbが見合いになり、黒は死んでしまいます。このように、わずかな条件の違いで結果が大きく変わるため、アマチュア高段者でも正確に対応するのが難しいとされています。

一合マスの奥深さ

一合マスは、その複雑さから「一合マスがわかれば初段」という言葉もあるほどです。この言葉は、昔の初段のレベルが現代のアマチュア高段者に相当していたことを示しており、一合マスを理解することが、囲碁の実力向上に不可欠であることを示唆しています。実戦でも、一合マスに似た形が現れることは多く、その都度正確な判断が求められます。

関連用語

一斗マス（いっとマス）

一斗マスは、図のように10の線上に石を置き、隅に打ち込んで生きがあるかを競うものです。昭和30年代にプロ棋士たちが研究し、初手は三々が急所であるものの、黒2と4が最強の攻めであることが判明しました。しかし、その後白が最善を尽くせば生きることが結論付けられています。

一石マス（いっせきマス）

一石マスは、一線に黒石が並んだ状態に白が打ち込むことで、生きを競うものです。しかし、実際には生きることはほとんど不可能とされています。

まとめ

一合マスは、囲碁の隅における死活の基本でありながら、その変化は複雑で奥深いものです。この形を理解することは、囲碁の実力向上に不可欠と言えるでしょう。関連する一斗マスや一石マスも、囲碁の奥深さを象徴する興味深いテーマです。

参考文献

関連項目
囲碁
* 詰碁

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