一畑電車1000系電車

一畑電車1000系電車

一畑電車1000系電車は、一畑電鉄が2014年（平成26年）に導入した通勤形電車です。老朽化した3000系電車の置き換えを目的として、東急電鉄で使用されていた1000系電車を譲り受け、改造したものです。

概要

東急テクノシステムで中間車を先頭車に改造し、2014年に2編成、2015年に1編成が導入されました。一畑電車にとっては、5000系以来16年ぶりの新車両であり、「オールステンレス車体」、「ワンハンドルマスコン」、「シングルアームパンタグラフ」、「VVVFインバータ制御」など、同社初の新機軸が数多く採用されています。

東急1000系は他社からの引き合いも多く、必要数を確保できないため、不足分は既存車両の延命や、新造車両の導入で補うことになり、7000系電車が自社発注で開発・導入されました。

車体

車体は、軽量ステンレス製でビードによる補強が施されています。前面は中間車からの改造のため、種車の東急1000系とは全く異なる形状をしており、左右対称の窓配置と中央部の貫通扉を模したデザインが特徴です。1003編成では、ライト類が角形から丸型に変更され、前照灯はLED化されています。非貫通型のため、連結運転時の通り抜けはできません。

スカートはスノープロウ付きの大型のものが採用され、2編成の連結運転を考慮して密着連結器と電気連結器が装備されています。行先表示器は、前面・側面ともにLED式です。

導入当初はラッピングされていませんでしたが、運行開始にあたり、1001編成と1002編成は、投票で選ばれたデハニ50形をイメージしたオレンジ色に白帯のラッピングが施されました。1003編成は、島根県のキャラクター「しまねっこ」をデザインした「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」として運行しています。

中央を除く側扉には半自動ドアボタンが設置されており、始発駅や途中駅での長時間停車時に、このボタンでドアの開閉を操作します。

車内

車内は基本的に東急時代のものを踏襲していますが、ワンマン運転とバリアフリーに対応するため、整理券発行機、運賃箱、車椅子スペース、ドアチャイム、液晶ディスプレイが新たに設置されました。

走行機器

走行機器も基本的に東急時代のものが使用されていますが、台車は東急9000系の廃車発生品に交換されています。また、元デハ1450形は電装解除され、クハ1100形となっています。主電動機は種車と同じTKM-88形を搭載していますが、1M1Tの構成に変更されたため、起動加速度は2.34km/h/sに低下しています。

運用

1001編成と1002編成は2015年2月8日から、1003編成は2015年12月10日から運用を開始しました。北松江線と大社線の全区間で、主に普通列車として運行されています。

2015年2月26日から3月27日の間、試験的に2100系に代わり特急「スーパーライナー」として運用されたこともあります。その後、2016年にも再びスーパーライナーとして運用されました。

他社の東急1000系譲受車

東急1000系は、一畑電鉄の他にも、多くの鉄道会社に譲渡されています。

上田電鉄1000系・6000系電車
伊賀鉄道200系電車
* 福島交通1000系電車

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