一般永住者

一般永住者について

一般永住者とは、日本の永住許可を得て日本に在留する外国人を指します。これは、法律上の用語では「永住者」と定義されています。2023年末時点で、その数は891,569人に達しており、近年は増加ペースがやや鈍化しているものの、依然として年率約3%の成長を続けています。2007年には、特別永住者の数を初めて上回りました。

国籍の構成

一般永住者の国籍は多様です。特別永住者の多くが韓国・朝鮮籍であるのに対し、一般永住者は中国、フィリピン、ブラジル、韓国の上位4カ国で全体の3分の2を占めています。2023年末時点の国籍別内訳は以下の通りです。

中国：330,810人 (37.1%)
フィリピン：139,534人 (15.7%)
ブラジル：115,287人 (12.9%)
韓国：75,675人 (8.5%)
ペルー：33,151人 (3.7%)

これらのデータから、一般永住者の出身国が広範囲にわたることがわかります。

永住許可の要件

永住許可を得るためには、いくつかの要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。

1. 素行が善良であること: 法令を遵守し、社会規範を守ることが求められます。
2. 独立して生計を立てられる資産または技能を有すること: 日本での生活を経済的に維持できる能力が必要です。
3. 永住が日本の利益に合致すると認められること: これは総合的な判断に基づきます。

さらに、以下の詳細な要件も存在します。

原則として10年以上日本に在留していること: ただし、就労資格や居住資格で5年以上の在留が必要です。技能実習や特定技能1号は除外されます。
罰金刑や懲役刑を受けていないこと: 犯罪歴がないことが求められます。
公的義務を適切に履行していること: 税金、年金、医療保険料の納付義務を守り、入管法で定められた届け出義務を履行する必要があります。
現有の在留資格が最長の在留期間であること: 出入国管理及び[[難民認定法]]施行規則に定められた最長の在留期間であることが必要です。
公衆衛生上有害となる恐れがないこと: 健康状態が良好であることが求められます。

これらの要件は原則であり、日本人、永住者、特別永住者の配偶者や子供には一部の要件が適用されません。また、難民認定者は資産や技能に関する要件が免除されます。

10年要件の特例

原則として10年の在留期間が必要ですが、以下の特例が設けられています。

日本人、永住者、特別永住者の配偶者の場合: 実質的な婚姻生活が3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していることが条件です。実子の場合は1年以上の在留で足ります。
「定住者」の在留資格で5年以上継続して在留している場合。
難民認定を受けた場合: 認定後5年以上継続して在留していることが必要です。
外交、社会、経済、文化等の分野で日本への貢献が認められる場合: 5年以上の在留が必要です。
地域再生計画で指定された機関で特定の活動を行い、日本への貢献が認められる場合: 3年以上の在留で許可されることがあります。
高度専門職ポイント制で70点以上の場合: 「高度人材外国人」として3年以上在留、または3年前の時点で70点以上のポイントを有していたことが条件です。
高度専門職ポイント制で80点以上の場合: 「高度人材外国人」として1年以上在留、または1年前の時点で80点以上のポイントを有していたことが条件です。

まとめ

一般永住者は、日本の社会で重要な役割を担う外国人です。その数は増加傾向にあり、国籍も多様化しています。永住許可を得るためには、厳格な要件を満たす必要があり、特例措置も存在します。これらの情報を理解することは、日本の多文化共生を考える上で重要です。

参考情報

日本の人口
特別永住者
日本の外国人
*竹中繁雄

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