一風堂 (バンド)

一風堂は、1979年に結成された日本のロックバンドです。そのバンド名は、渋谷にあった同名のディスカウントストアに由来します。

バンドの歴史

結成当初、一風堂は山本翔のバックバンドとして活動を始めました。その後、シングル「もっとリアルに」をリリースしましたが、メンバーの平田謙吾が脱退。1980年には、シングル「ブレイクアウト・ジェネレーション」や「ミステリアス・ナイト」、そしてファーストアルバム『NORMAL』と『REAL』をリリースし、独自の音楽性を確立しました。しかし、同年には赤尾敬文がバンドを去っています。

1981年にはシングル・アルバム「ラジオ・ファンタジー」を発表。1982年には、ゾンビーズのカバーである「ふたりのシーズン」や「アイ・ニード・ユー」をリリースしました。中でも「すみれ September Love」は、カネボウのコマーシャルソングとして大ヒットを記録。この曲を収録したベストアルバム『LUNATIC MENU』は、オリコンチャートで3位にランクインしました。また、この時期にはリーダーの土屋昌巳がソロアルバム『RICE MUSIC』を発表し、さらにイギリスのニュー・ウェイヴバンドであるジャパンのライブツアーにもサポートメンバーとして参加するなど、メンバー個々の活動も活発化しました。しかし、同年には藤井章司が脱退しています。

1983年には、シングル「アフリカン・ナイツ」や「ドリーム・オブ・ザ・ジプシーズ」、アルバム「ナイトミラージュ」をリリース。土屋昌巳は映画『沙耶のいる透視図』にも出演しました。キーボードの見岳章もソロシングル『君は完璧さ』、ソロアルバム『Out of Reach』をリリースしています。

1984年、ラストシングルとなる「ムーンライト・マジック」とライブアルバム『live and zen』を最後に活動を休止。その後、バンドは自然消滅のような形になっていますが、解散宣言はされていません。

バンドメンバーの逝去

2009年には、ドラムの藤井章司が心筋梗塞により急逝、2013年には、結成時のメンバーであった平田謙吾が病気のため亡くなっています。

音楽性と影響

一風堂の音楽は、当時最先端のニュー・ウェイヴやテクノポップの影響を受けつつ、独自のディスコティックなサウンドを追求しました。特に、土屋昌巳の独特なボーカルスタイルは、多くのファンを魅了しました。

ディスコグラフィー

一風堂は、活動期間中に数多くのシングル、アルバム、ベストアルバムをリリースしました。特に「すみれ September Love」は、80年代を代表するヒット曲の一つとして、現在も多くの人に愛されています。

関連事項

バンド名が由来となった博多ラーメンの「博多一風堂」があります。また、1979年は多くのアーティストがデビューした年であり、一風堂もその一つです。


一風堂の音楽は、日本のロック史において重要な位置を占めており、その影響は今日でも多くのアーティストに見られます。

参考資料：
田山三樹『MAGIC VOX: IPPU‐DO ERA 1979–1984』(CDライナーノーツ)ソニー・ミュージックダイレクト、2006年。

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