丁仏言

丁仏言（てい ふつげん）

丁仏言は、1878年（光緒4年）に生まれ、1930年（民国19年）12月1日に53歳で没した、中華民国の政治家、書家、詩人、ジャーナリストです。字は仏言、名は世嶧、号は邁純と称しました。

生涯

清朝時代には廩貢生として学んだ後、日本に留学。1907年（明治40年）に法政大学法政速成科を卒業しました。帰国後は、ドイツによる山東鉱山区の占領に反対する運動に身を投じ、保鉱会を組織しました。その後、山東法政学堂で教官を務めるなど、教育にも携わりました。1910年には山東咨議局議員に選出されましたが、翌年には辞職しています。

1911年の武昌起義に際しては、革命派に加担し、山東省の独立を画策しました。中華民国成立後の1912年には、北京の臨時参議院議員に当選し、同時に『亜細亜日報』の主筆も務めました。1913年5月には進歩党に加入し、党務部部長に任命されます。同年10月には、国民党の張耀曽らと民憲党を結成しますが、袁世凱の命令により国会が解散。政党活動と並行して、張東蓀らと共に『中国雑誌』の編集・出版にも携わりました。

1915年に袁世凱が皇帝即位を企てると、丁は上海に移り、反袁活動を展開しました。袁世凱の死後、1916年8月には黎元洪が大総統に就任し、丁は大総統府秘書長に任命されました。しかし、翌年2月には辞職し、故郷に帰って古文書学の研究に没頭しました。1922年、曹錕が賄賂によって大総統の座を狙うと、当時国会議員であった丁はこれを拒否し、さらに批判的な言論活動を行いました。このため逮捕され、1924年に曹錕が失脚するまで拘禁生活を送りました。

釈放後は、済南の中学校で国文学教師として教鞭をとり、1928年以降は北平に居を構えました。書家、詩人としても高い評価を得ており、多くの作品を残しています。1930年12月1日、北平にて病のため逝去しました。

業績と評価

丁仏言は、政治家としては激動の時代を生き抜き、教育者としては後進の育成に尽力しました。また、書家・詩人としても優れた才能を発揮し、多くの作品を世に残しました。その多才ぶりは、後世に大きな影響を与えました。ジャーナリストとしても活動し、当時の社会情勢を鋭く分析し、論評しています。

もう一度検索