丁型改二潜水艦

丁型改二潜水艦の概要

丁型改二潜水艦（ていがたかいにせんすいかん）は、大日本帝国海軍によって建造が計画された輸送型潜水艦です。別名では丁型改2、潜丁2型、または戊型潜水艦とも呼ばれていますが、これらはあくまで便宜上の呼称であり、正式な艦名ではありません。

この艦型の背景には、1943年（昭和18年）以降、輸送用潜水艦としての役割を担った伊三百六十一型潜水艦（丁型潜水艦）の存在があります。1944年4月には、航空揮発油の輸送を行うための能力を持つ伊三百七十三型潜水艦（丁型改潜水艦）の設計が決定され、さらに多目的な運用を考慮した輸送潜水艦の計画も進められました。

1944年9月、具体的な要求が出され、航空揮発油の輸送に加えて、魚雷発射管と回天の搭載能力も有する汎用潜水艦としての計画が立案されました。この企画における最終的な計画番号はS60となり、基準排水量は1,740トン、航空揮発油280トン、そして53cmの魚雷発射管を4門装備する構想で進められました。

4隻が建造される予定であり、その中の1番艦には仮称艦名として第2968号艦が付けられました。しかし、戦局の変化に伴い、実際には起工が中止され、この計画は実現することなく終わりを迎えました。

この潜水艦計画の意義は、当時の海軍における輸送能力の向上とさらなる攻撃力の付加にあったと言えます。特に輸送任務は、戦争が続く中で不可欠な要素であり、航空燃料などの重要な物資を敵地へ配送する役割が期待されていました。

参考文献

• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』（光人社、1990年）
• - 『歴史群像太平洋戦史シリーズ特別編集「日本の潜水艦パーフェクトガイド」』学研、2005年5月。
• - 大塚好古『【第6部】[特殊目的潜水艦]機雷敷設潜から輸送潜まで』。
• - 大塚好古『日本潜水艦各型主要目一覧』。

関連項目

• - 伊三百六十一型潜水艦（丁型潜水艦）
• - 伊号第三百七十三潜水艦（丁型改潜水艦）
• - 大日本海軍艦艇一覧

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