七芒星 (図形)

七芒星：幾何学と文化の交錯

七芒星は、7つの頂点を持つ星型多角形です。幾何学的には、最小の星型正多角形として知られ、{7/2}と{7/3}の2つの種類があります。前者はheptagram、後者はgreat heptagramと呼ばれ、その形状は互いに異なります。

幾何学的性質

七芒星の幾何学的性質は、その構成比から理解できます。正七角形を基底とし、頂点を適切に繋ぐことで、2種類の七芒星が生成されます。これらの星型多角形は、既約分数で表現され、五芒星や他の星型多角形とは異なる幾何学的特徴を持っています。例えば、六芒星は2つの三角形から成るのに対し、七芒星はより複雑な構造を示します。また、八芒星や九芒星など、他の星型多角形との比較も、七芒星の幾何学的特性を理解する上で重要です。

文化と象徴性

七芒星は、幾何学的な美しさだけでなく、古くから様々な文化や宗教で象徴的な意味を持ってきました。

宗教・オカルト

セレマ神秘主義においては、女神ババロンのシンボルとして用いられています。また、ネオペイガニズムではエルフの星や妖精の星として認識されており、神秘的な力や魔法と関連付けられることもあります。さらに、錬金術やイスラム教の聖典クルアーンにも登場するなど、宗教・オカルトの領域において広く使われてきた歴史があります。日本の三重県志摩市の宇賀多神社の御朱印にも七芒星が用いられています。

その他

七芒星は、国旗のデザインにも見られます。ヨルダンの国旗、オーストラリアの国旗の一部、そして北海道旗など、様々な国や地域で用いられています。また、コモンウェルス・スターと呼ばれる七芒星は、コモンウェルス諸国のシンボルとして使われています。さらに、デンマークの海運会社であるA.P. モラー・マースクのロゴにも七芒星が使用されています。ゲームの世界でも、サムライスピリッツのキャラクターの必殺技や、GODZILLAアニメ映画に登場する異星人の神器など、様々な作品で七芒星が登場し、その多様な表現方法が示されています。GODZILLAの例では、{7/2}と{7/3}の二つの七芒星を重ね合わせたような複雑な十四芒星が描かれています。

まとめ

七芒星は、その幾何学的性質と文化・宗教における多様な意味合いから、数学、芸術、そして宗教など、様々な分野にわたって興味深い存在です。この星型多角形が持つ象徴性と、その背後にある数学的構造は、私たちに深い考察を与えてくれます。その幾何学的な美しさは、古今東西、人々の心を魅了し続けていると言えるでしょう。 今後も、七芒星がどのような形で表現され、どのように解釈されていくのか、注目していく価値のあるテーマです。

参考文献

Grünbaum, B. and G.C. Shephard; Tilings and Patterns, New York: W. H. Freeman & Co., (1987), ISBN 0-7167-1193-1.
Grünbaum, B.; Polyhedra with Hollow Faces, Proc of NATO-ASI Conference on Polytopes ... etc. (Toronto 1993), ed T. Bisztriczky et al., Kluwer Academic (1994) pp. 43–70.
* John H. Conway, Heidi Burgiel, Chaim Goodman-Strass, The Symmetries of Things 2008, ISBN 978-1-56881-220-5 (Chapter 26. pp. 404: Regular star-polytopes Dimension 2)

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