万松楼

万松楼（ばんしょうろう）

万松楼は、長崎県佐世保市にあるホテル、およびそれを運営する企業です。明治時代から続く歴史を持ち、多くの著名人に愛されてきました。

歴史

1893年（明治26年）に、佐世保市内の景勝地として知られていた現在の場所に創業しました。1896年（明治29年）には、伊藤博文が本館に滞在した際、松林の中に建つその美しい景観を称え「万松楼」と命名しました。戦前は、佐世保鎮守府の海軍士官から「山」という符丁で呼ばれるほど、市内有数の割烹旅館・料亭として名を馳せていました（谷郷町の高台に位置することに由来）。

東郷平八郎、永井柳太郎、西郷従道、野口雨情、西条八十、井上日召、山本五十六など、政界、軍部、文化界の著名人が多数訪れ、明治、大正、昭和の時代を通じて多くの人々に親しまれてきました。

戦後は観光ホテルとして事業を展開し、1998年（平成10年）には敷地内で湧出した温泉を利用した露天風呂を備える入浴施設「弁天の湯」をオープンし、人気を博しました。しかし、景気低迷や他の宿泊施設との競争激化により宿泊客が減少し、さらにグループ会社のゴルフ場が2005年（平成17年）12月に経営破綻したことなどが影響し、ホテル本体の経営も悪化。2006年（平成18年）1月30日に民事再生法の適用を申請する事態となりました。

2011年からは新たな経営陣のもとで経営・運営が行われましたが、2013年末頃から競争激化などにより経営状態が悪化。翌年には源泉を汲み上げるポンプの故障を理由にホテルの営業を停止していました。2017年には債権者からの競売申し立てによりホテルは競売にかけられ、2018年に東京都中央区の株式会社サイ・パートナーズによって落札されました。

周辺情報

万松楼の周辺には、以下の施設があります。

佐世保市役所
県北振興局
佐世保警察署
西方寺
亀山八幡宮
長崎県立佐世保北中学校・高等学校

交通アクセス

西肥バス（させぼバスも含む）「谷郷町」バス停下車
佐世保駅から車で約5分

外部リンク

* ホテル万松楼

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