万葉橋

万葉橋は、長野県千曲市の上山田と磯部を結び、千曲川に架かる全長364.15メートルの橋梁です。県道498号聖高原千曲線の一部を担っています。

概要

万葉橋は、下流に位置する大正橋とともに、戸倉市街地と戸倉上山田温泉を結ぶ重要な役割を果たしています。橋の名前は、1950年（昭和25年）に建立された万葉集の歌碑に由来しています。この歌碑は、著名な歌人である佐佐木信綱によって揮毫されました。1985年（昭和60年）には、万葉橋の左岸に千曲川万葉公園が整備され、古代から現代に至る信濃の歌を刻んだ27基もの歌碑が設置されています。

構造

万葉橋は、9径間連続合成鈑桁橋という形式を採用しています。各支間の長さは40メートルで、橋全体の幅は12メートルです。橋脚はラーメン式橋脚、基礎はケーソン基礎となっています。

歴史

万葉橋が架けられる以前には、この場所に橋は存在せず、初めての架橋となりました。それまでは、主に下流の大正橋が利用されていましたが、高度経済成長期に入り、戸倉上山田温泉への観光客が年間50万人を超えるようになり、交通の便を改善する必要が生じました。1963年（昭和38年）10月、戸倉町と上山田町の都市計画の一環として架橋が決定され、建設が開始されました。総工費3億3000万円をかけて建設され、1966年（昭和41年）4月15日に開通しました。万葉橋の開通により、団体観光客の往来や送迎が容易になり、地域経済の発展に大きく貢献しました。竣工当初の万葉橋は、朱色の高欄が周囲の景観に調和し、水銀灯が設置されるなど、観光地としての魅力を高める役割も果たしました。

1997年（平成9年）から1999年（平成11年）にかけては、耐震補強工事が実施され、落橋防止装置が取り付けられました。これにより、地震に対する安全性が向上しました。

万葉橋は、交通の要所としてだけでなく、地域の歴史や文化を伝えるシンボルとしても重要な存在です。千曲川万葉公園とともに、多くの人々に親しまれています。

外部リンク

長野県千曲建設事務所 - 橋梁管理者
空から眺める千曲川・犀川 千曲川上流 - 国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所
30 万葉橋
31 大正橋

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