万葉線 (企業)

万葉線株式会社の概要と運営状況

基本情報

万葉線株式会社（まんようせん）は、富山県の高岡市と射水市をつなぐ鉄道を運営している第三セクターの企業です。万葉線は高岡駅から六渡寺駅までの高岡軌道線と、六渡寺駅から越ノ潟駅までの新湊港線の2つの系統で構成されていますが、一般には「万葉線」として直通運行されています。これはかつて越中国守として高岡にいた大伴家持が『万葉集』を編集したことにちなんで名付けられました。

歴史

万葉線は1980年に当時の加越能鉄道によって「万葉線」という愛称が付けられ、その後、利用者の減少に伴い、2001年に高岡市と旧新湊市の協力により万葉線株式会社が設立されました。2002年4月から新会社としての運行が始まり、この形態は日本初の路面電車を運営する第三セクター方式として注目されています。

運行が開始されると、万葉線は利用者の増加を目指し、様々な取り組みを行ってきました。2004年には新形の超低床車両「MLRV1000形」を導入し、観光客を引き寄せるための施策として、2008年より著名な落語家・立川志の輔氏によるアナウンスが行われています。さらに、2018年からはトミーテックとのコラボを通じてオリジナルキャラクターの「吉久こしの」を活用し、地元以外からもファンを集める努力をしています。

路線の特徴

万葉線は高岡軌道線（8.0km）と新湊港線（4.9km）に分かれていますが、両路線のほとんどの列車が直通運行されています。運行のタイミングは15分おきが基本ですが、朝と夜のラッシュ時にはさらに多くの列車が設定され、利便性が高められています。特に、2018年からは金曜の夜に終電を繰り下げる「金曜シンデレラ便」が新設され、深夜までの利用を確保しています。

車両について

万葉線には現役の車両と過去の車両があり、現行の主力車両には冷房機能を備えたデ7070形や、超低床のMLRV1000形が含まれています。これらの車両は、地域の特色を生かした運行を支えています。一方、過去に運行されていた除籍車両も多く存在し、特にデ5010形は産業遺産として保存され、高岡市内の公園に展示されています。

結論

万葉線株式会社は、地域のニーズに応じて運行形態や車両の改善を重ねながら、観光・文化の発信を行っている企業です。地元民だけでなく、観光客にも魅力的な交通インフラを提供し続けています。万葉線は、振興とともに富山地域の大切な移動手段として今後も期待されます。

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