三ツ石山

三ツ石山

三ツ石山は、岩手山から続く裏岩手縦走路に位置する山で、東北百名山にも選ばれています。山頂部の岩場と、そこから望む360度の雄大な景色が特徴です。

概要

山頂部は岩場が広がり、その先端には象徴的な大きな岩がそびえ立っています。岩場にはケルンが積まれ、八幡平、秋田駒ヶ岳、そして岩手山といった名峰を一望できます。天候に恵まれれば、南西の麓にある松川地熱発電所の冷却塔から立ち上る蒸気も遠くに見ることができます。

登山ルートは複数あり、休暇村網張温泉、松川温泉、滝ノ上温泉など、温泉地からのアクセスが可能です。また、岩手山からの縦走路の一部としても利用されています。網張温泉スキー場のリフトを利用すれば、比較的容易に登山を開始できます。かつて建設が中断された奥地等産業開発道路（通称：奥産道）も、登山道として利用されています。

避難小屋

標高1300m地点には、三ツ石山荘という無人の避難小屋が通年開放されています。登山者の休憩場所として、また緊急時の避難場所として活用されています。

見どころ

三ツ石湿原

大松倉山と三ツ石山の鞍部に広がる湿原で、ニッコウキスゲ、サワギキョウ、ミズバショウなど、多様な高山植物が咲き誇ります。湿原の中には三ツ石山荘があり、そこから山頂を望むことができます。花々の最盛期には、多くの登山者や写真愛好家が訪れます。

三ツ沼

三ツ石湿原の反対側、小畚山との鞍部にある池沼群です。こちらも湿原となっており、三ツ石湿原と同様に、様々な高山植物が季節ごとに花を咲かせます。静寂の中で、美しい自然景観を楽しむことができます。

奥地等産業開発道路（奥産道）

1964年、雫石町と松尾村を結ぶ県道として奥産道の整備が始まりました。これは、山奥の産業開発と観光振興を目的とした壮大な計画でした。しかし、ルートに三ツ石湿原が含まれていたこと、そして工事による自然破壊の問題が表面化したことで、工事は中止されました。現在、奥産道は未完成のまま残されており、登山道の一部として利用されています。この道は、自然保護と開発の狭間で揺れた歴史を今に伝える遺構とも言えるでしょう。

登山における注意点

三ツ石山は比較的標高の高い山であり、天候が変わりやすいという特徴があります。登山前には必ず天気予報を確認し、適切な装備を準備してください。特に、雨具や防寒具は必須です。また、登山道は場所によっては滑りやすい箇所や、道幅が狭い箇所もありますので、注意して歩行してください。避難小屋は無人ですので、食料や水は必ず持参してください。携帯電話の電波が届きにくい場所もありますので、地図やコンパスなどのアナログなナビゲーションツールも携行することをおすすめします。

まとめ

三ツ石山は、豊かな自然と美しい景観、そして歴史的な背景を持つ魅力的な山です。登山ルートも複数あり、体力や経験に合わせて選ぶことができます。ぜひ一度、三ツ石山の自然を満喫してみてください。

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