三井金属鉱業

三井金属鉱業株式会社概説

三井金属鉱業株式会社（英: Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd.）は、主に金属製錬、電子材料、自動車部品製造を手掛ける、三井グループの一員として知られる大手非鉄金属メーカーです。日経平均株価にも組み込まれる重要な企業で、東京都品川区を本社として活動しています。

企業の歴史

この会社の起源は1874年にさかのぼります。三井組が神岡鉱山の経営権を取得し、1892年に三井鉱山合資会社を設立したことから始まりました。1911年には会社組織を整え、三井鉱山株式会社に改組されました。1930年代から1940年代にかけて、金属需要の高まりに応じた成長を遂げていましたが、1980年代に発生した急激な円高や影響を受けた地金価格の下落、さらに神岡鉱山で発症したイタイイタイ病に関連する補償問題が大きな経営課題となりました。

経営不振が長引く中、1993年に社長に就任した宮村眞平氏は、賃金制度の改革や業種転換により、会社の再建を図りました。この改革は新しい市場ニーズに応じた経営にシフトするきっかけとなり、2000年代には製品ラインの多様化が進みました。

現在の事業内容

今日の三井金属鉱業は、基礎素材である地金の生産に加え、銅箔や自動車用の排ガス浄化触媒、さらには薄膜材料などの中間素材の製造を中心に、非常に多岐にわたる事業を展開しています。また、自動車部品の組み立ても行わており、ドアロック部品や銅箔の生産においては、世界的な競争力を持つ企業に成長しました。総合素材メーカーとしての地位を確立し、業界内での存在感を強めています。

事業所と関連企業

本社の位置する東京都品川区からは、日本国内各地に生産拠点を持ち、広範な供給ネットワークを確立しています。沿革の中で、さまざまな企業との合併や子会社化が行われており、特に神岡鉱業株式会社や三井金属ダイカスト株式会社などは、事業の成長を支える重要な役割を果たしています。

不祥事

しかし、三井金属鉱業は不祥事も抱えており、2011年にはじん肺問題が発生しました。じん肺を指摘された元作業員たちが訴訟を起こし、最高裁は会社側に対して賠償責任を認め、約1億2千万円の支払いを命じました。また、イタイイタイ病も、同社の製錬過程からの未処理廃水によって引き起こされたことが認識されています。このような問題は、会社の社会的責任や環境問題への取り組みに対する意識を高めるきっかけとなっています。

まとめ

三井金属鉱業株式会社は、歴史的な背景とともに経営の見直しや製品の多様化を進め、現代の非鉄金属産業において重要な役割を果たしています。また、過去の不祥事を踏まえ、企業の社会的責任を果たしつつ、持続可能な成長に向けた取り組みを強化していく必要があります。

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