三具足

三具足：仏壇を荘厳する基本セット

三具足とは、仏壇に供える仏具の基本的なセットです。香炉、燭台（灯立）、花立の3点で構成され、仏前を清浄で荘厳な空間へと演出する役割を担います。それぞれの仏具は、故人の冥福を祈り、仏様への敬意を表す大切なものです。

三具足の配置と構成

一般的に、本尊に向かって左側に花立、中央に香炉、右側に燭台を配置します。これは、仏教における左右対称の配置や、それぞれの仏具の役割を考慮した伝統的な配置方法です。

より多くの仏具を備える場合、五具足というセットも存在します。五具足は、香炉を中心に、左右に燭台を配置し、さらにその外側に花立を配置した、左右対称の配置となります。三具足に比べてより豪華で、特別な法要などに用いられることが多いです。

三具足の大きさ、材質

三具足の大きさは、使用する仏壇のサイズや、個人の好みに合わせて様々なバリエーションがあります。

香炉: 直径約5～30cmと幅広いサイズ展開があります。
燭台: 高さ約8～90cmと、香炉と同様にサイズに幅があります。
花立: 直径約6～35cmと、こちらも様々なサイズが用意されています。

材質は、真鍮製が最も一般的です。真鍮製の三具足は、磨かれた光沢が美しく、荘厳な雰囲気を醸し出します。「磨き」仕上げのものは、定期的なお手入れが必要です。酸化を防ぐため、金メッキを施したものや、セラミック加工を施したものもあります。近年では、ステンレス製や、より高級感のある純金・純銀製のものも販売されています。

浄土真宗における三具足

浄土真宗において、三具足は日常の仏壇の荘厳に用いられる、重要な仏具です。

浄土真宗で用いられる三具足は、燭台、花瓶（花立）、金香炉（火舎香炉）の3点です。燃香用の土香炉は含まれません。宗派によって、仏具の形状や配置、荘厳の作法に違いがある点は注意が必要です。

各宗派における形状の違い

浄土真宗の中でも、各宗派によって三具足の形状に違いが見られます。

燭台: 浄土真宗本願寺派では、焼き色をつけた燭台が用いられることが多いです。真宗大谷派、真宗仏光寺派、真宗高田派などでは、鶴亀燭台（亀の上に鶴が乗った形をした燭台）が用いられます。
* 花瓶（花立）: 真宗大谷派では、紋が入った花瓶が正式とされています。荘厳の際には、鰭を正面に向け、牡丹紋を外側、八藤紋を内側に向けて配置するのが正式な作法です。

これらの違いは、それぞれの宗派の伝統や信仰に基づいたものです。仏具を選ぶ際には、自身の宗派に合ったものを選ぶことが重要です。

まとめ

三具足は、仏壇を荘厳し、故人の冥福を祈るための大切な仏具です。その大きさ、材質、形状は様々で、宗派によっても違いがあります。仏壇にふさわしい三具足を選び、日々の供養に役立てましょう。

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