三千世界の鴉を殺し

三千世界の鴉を殺し：辺境惑星を舞台にした壮大なSF物語

『三千世界の鴉を殺し』は、津守時生によって執筆された人気SF小説シリーズであり、ドラマCD化もされている作品です。新書館の小説誌『Wings』にて連載され、ウイングス文庫より刊行。2013年時点で、小説は17巻、ドラマCDは10巻が発売されています。連載10周年を記念して『三千世界の鴉を殺しマガジン』も発売されました。タイトルは、高杉晋作が詠んだとされる都々逸が由来であり、物語においても重要な意味を持っています。

物語の概要

本作は、『喪神の碑』シリーズや『カラワンギ・サーガラ』シリーズの続編にあたり、遠未来を舞台にしたSF作品です。主人公は、オリビエ・オスカーシュタイン（O2）とマリリアードの女性体クローンの息子であるルシファード・オスカーシュタイン、銀河連邦宇宙軍の大尉です。軍上層部の思惑により辺境惑星バーミリオンのカーマイン基地に左遷されたルシファードは、そこで様々な人間と出会い、麻薬売人の誘拐事件をきっかけに、惑星を揺るがす陰謀へと巻き込まれていきます。

魅力的な登場人物たち

物語を彩る個性豊かな登場人物たちは、それぞれに複雑な過去や能力、そして人間関係を有しています。

ルシファード・オスカーシュタイン: 圧倒的な美貌と並外れた超能力を持つ主人公。念動力や治癒能力に加え、物語が進むにつれてテレパシー能力なども開花させていきます。奔放で思ったことをすぐ口に出す性格ですが、任務遂行においては冷酷な一面も持ち合わせています。ドラマCDでは諏訪部順一が担当。
ライラ・キム: ルシファードの副官で親友でもある女性。冷静沈着で高い戦闘能力を持つ一方で、ルシファードへの深い信頼と、沸点の低さを併せ持っています。ドラマCDでは斎賀みつきが担当。
サラディン・アラムート: カーマイン基地の軍病院に勤務する外科主任。優れた腕を持つ一方で、美貌と毒舌で「ドクターサイコ」と呼ばれることも。ルシファードに強い興味を抱いています。ドラマCDでは三木眞一郎が担当。
カジャ・ニザリ: 軍病院の内科主任。15,6歳くらいの美少年の外見ながら、実際は150歳。テレパシー能力を持つ白氏族であり、ルシファードに惹かれている一面も。ドラマCDでは神奈延年が担当。
オリビエ・オスカーシュタイン（O2）: ルシファードの父。銀河連邦宇宙軍中央本部情報部部長で、高い精神感応能力を持つテレパシスト。冷徹で計算高い性格ながら、息子には深い愛情を抱いています。ドラマCDでは中田譲治が担当。
ニコラルーン・マーベリック: O2の部下であり、ルシファードの友人でもある情報将校。超能力者であり、情報工作の腕も高く、少年のような純粋さも併せ持ちます。ドラマCDでは千葉進歩が担当。
* フリーダム・ゼロ: ルシファードの母。類まれな美貌を持つ賞金稼ぎで、男嫌いの性格。実はマリリアードの女性体クローンであり、強力なテレパシー能力を持つ。ドラマCDでは五十嵐麗が担当。

その他にも、ワルター・シュミット、ロザリンド・バーガー、エルトン・グレッグなど、カーマイン基地に所属する個性的な士官や兵士、そして都市警察のガーディアンなど、多くのキャラクターが登場し、物語に深みを与えています。

舞台となる惑星と基地

物語の舞台となるのは、辺境惑星バーミリオンとその首都カーマインにあるカーマイン基地です。基地内では、ゴシップ雑誌『パープルヘヴン』が発行されており、基地の士官たちの日常や噂話が掲載されています。この雑誌は、物語の中で重要な役割を果たします。また、バーミリオン惑星には、地球系企業によって改造された遺跡や、高度な技術を持つ種族の痕跡なども存在しており、物語の謎を深めていきます。

登場する種族

本作には地球人以外にも、白氏族、蓬莱人、ラフェール人、六芒人、水麗人など、様々な種族が登場します。それぞれが独自の文化や能力、そして歴史を持っています。これらの種族間の関係性も、物語の重要な要素となっています。

多彩なメディアミックス

小説、ドラマCDに加え、『三千世界の鴉を殺しマガジン』やイラスト集など、様々なメディアミックス展開が行われています。ドラマCDには、本編の補足となるプチ文庫が付属しており、本編では描かれなかったキャラクターたちの日常や、物語のその後が描かれています。

まとめ

『三千世界の鴉を殺し』は、魅力的なキャラクター、複雑な陰謀、そして壮大なスケールで描かれたSF作品です。超能力、政治的陰謀、種族間の対立など、様々な要素が複雑に絡み合い、読者を飽きさせない展開が魅力です。小説、ドラマCD、関連書籍を通して、この魅力的な世界観に浸ってみてください。

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