三国志 (日本テレビ)

アニメ『三国志』とその続編『三国志II 天翔ける英雄たち』

アニメ『三国志』は、1985年3月20日に日本テレビの水曜ロードショーで初めて放送され、その後の1986年8月22日には続編『三国志II 天翔ける英雄たち』が放映されました。このシリーズは、横山光輝の漫画『三国志』を基に制作されましたが、内容やキャラクターのデザインは元の作品とは大きく異なります。制作には1億5000万円の費用が投じられました。

作品の概要

『三国志』では、長坂の戦いや赤壁の戦いまでの出来事が描かれていますが、実際の歴史とは異なり約1年半の期間で展開されるのが特徴です。荊州での関連人物は、劉表が冒頭で登場するのみです。一方、続編『天翔ける英雄たち』では、劉備と孫夫人との結婚が前半に描かれ、後半では益州を巡る曹操軍との戦闘が繰り広げられます。この過程で関羽と張飛が戦死し、『天下三分の計』が成立するまでの物語が展開されます。

特徴とアレンジ

このアニメは、横山光輝の原作の一部をダイジェスト形式でまとめた作品ですが、キャラクター設定については大胆なアレンジが施されています。特に『天翔ける』では、赤壁の戦い以前のエピソードも含まれています。また、歴史アニメというジャンルがほとんど存在しなかった時期の作品であり、80年代のヒーローアニメやロボットアニメの影響を受けた表現が随所に見られます。

主な登場人物

登場キャラクターは、歴史上の人物を20代として設定していますが、実際には20代だったのは諸葛亮（孔明）だけです。劉備と曹操の一騎討ちは『三国志』の冒頭および『天翔ける』のフィナーレで描かれ、二人の死に関するクレジットで締めくくられます。両作ともにエンディングに主題歌が流れますが、『三国志』では渡辺岳夫の音楽と共に麗花の剣の舞がパフォーマンスされ、『天翔ける』では孔明が「蜀」を率いるという暗示的なシーンが挿入されています。

劉備一党と関羽、張飛の物語

劉備、関羽、張飛の兄弟の契りが描かれていますが、彼らは「長男」「次男」「三男」といった序列を決めておらず、関羽と張飛は劉備に対して敬語を使わず、親しい関係を築いています。『天翔ける』では、趙雲や黄忠などのキャラクターが初めて登場し、彼らの運命も物語に深く関わっています。さらに、関羽の死を知った張飛が復讐に向かうシーンなど、ドラマチックな展開が続きます。

孫夫人とオリジナルキャラクター

本作品では、孫夫人が麗花姫という名前のオリジナルキャラクターとして登場します。彼女は最初、劉備を敵視していましたが、物語が進むにつれて彼に惹かれていきます。麗花は、前半部分では孔明の邸宅に住み込み、さまざまな策略を巡らせる役割を果たします。また、『天翔ける』の後半では、彼女の運命が盛り込まれており、強い意志を持ったキャラクターとして描かれています。

結論

『三国志』と『三国志II 天翔ける英雄たち』は、アニメーション作品としての独自の魅力を持っていると共に、横山光輝の原作を基にしながらも様々な創意工夫がなされた点が特筆されます。これらの作品は、視聴者に中国の歴史や英雄たちの物語を楽しませるだけでなく、キャラクターたちの個性的な描写やドラマチックな展開に引き込む力を持っています。

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