三国港駅

三国港駅：歴史とロマンが漂う海の玄関口

福井県坂井市三国町に位置する三国港駅は、えちぜん鉄道三国芦原線の終着駅であり、歴史と観光の香りが漂う魅力的な場所です。駅番号はE44。

歴史を刻む駅舎

三国港駅の起源は、1913年（大正2年）に鉄道院三国線の構内扱いとして開設された三国港荷扱所まで遡ります。当初は貨物駅として運用され、旅客営業は臨時的なものでした。1927年（昭和2年）に三国～三国港間で通年旅客営業が開始され、一般駅となりました。

その後、1944年（昭和19年）には京福電気鉄道三国芦原線の運営に移管され、電化も進みました。戦後、国鉄三国線の営業再開に伴い、国鉄と京福の相互乗り入れも行われるなど、幾多の変遷を経てきました。国鉄三国線廃止後の1972年（昭和47年）には一時休止、2003年（平成15年）にはえちぜん鉄道の駅として再出発を遂げ、現在に至ります。2010年には駅舎改修工事が完了し、歴史ある建物を可能な限り保存した形で生まれ変わりました。

駅舎と設備

駅舎は線路の北側に位置し、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。かつては土日祝日に駅員が配置されていましたが、現在は終日無人駅となっています。ただし、三国花火大会開催日には有人駅となります。木造平屋建ての駅舎は2010年の改修で、国鉄時代の面影を残しつつも、現代的な設備が整えられました。ホームの有効長は、えちぜん鉄道の他の駅と比べても長く、国鉄時代の面影が感じられます。ホームの先には留置線があり、夜間の車両滞泊などに利用されています。また、花火大会の臨時列車用として、側線も設置されています。

アクセスと周辺情報

三国港駅は、三国港という名の通り、港湾施設に近接しています。福井県漁連や海水浴場など、海に関連する施設が周辺に集まっています。三国港一帯は「みなとオアシス」に登録されており、三国港駅もその構成施設のひとつです。

駅周辺には駐輪場や市営駐車場も完備されています。また、すぐ近くに九頭竜川の河口があり、自然豊かな環境に恵まれています。駅東側には、国登録有形文化財である眼鏡橋があり、アニメ『グラスリップ』にも登場したことで有名です。

バス路線も整備されており、京福バス「三国港駅前」停留所からは芦原温泉駅や龍翔博物館などへのアクセスが可能です。パークアンドライドやカーシェアリングサービスも利用でき、車でのアクセスも便利です。

周辺には、三国サンセットビーチ、東尋坊三国温泉ゆあぽーと、三国港市場、三国ヨットハーバー、三国運動公園など、観光スポットも充実しています。

利用状況と今後の展望

三国港駅の利用状況は、坂井市統計年報に掲載されています。近年は、観光客の増加や周辺地域開発の進展に伴い、利用客数も増加傾向にあります。今後も、三国港駅は地域住民の生活の足として、そして観光客の玄関口として、重要な役割を担っていくことでしょう。

隣の駅

えちぜん鉄道三国芦原線
三国駅 - 三国港駅

かつての国有鉄道三国線においても、隣の駅は上記と同様でした。

もう一度検索