三國志VIII

『三國志VIII』は、2001年にコーエーから発売された歴史シミュレーションゲーム「三國志シリーズ」の第8作です。本作は、武将の視点から三国志の世界を体験できる武将プレイが特徴で、プレイヤーは一人の武将として歴史を動かすことができます。音楽は長谷部徹氏が担当し、ゲームの雰囲気を盛り上げています。

ゲームシステム

前作に引き続き武将プレイが採用されており、プレイヤーは君主、太守、軍師、一般、在野といった様々な身分でゲームを進めることができます。さらに、頭領、同志、軍団長（PS2、PSP版では都督）といった新たな身分も追加され、より多様なプレイスタイルが可能です。特に、軍師は前作では一つの勢力に一人でしたが、今作では一つの都市に一人任命できるようになったため、より戦略的なプレイが楽しめます。ただし、君主の軍師の方が太守の軍師よりもできることが多いという特徴があります。

ゲームオーバー条件は前作とほぼ同じですが、後継者候補として義兄弟が追加されました。ただし、通常プレイでは350年になると強制的にバッドエンドを迎えるという制限があります。パワーアップキット（PK）版では、ステージクリア型の戦闘を楽しむ「戦術キャンペーンシナリオモード」が追加され、戦闘に特化した新たなゲーム体験も可能です。

武将と人間関係

本作には、オリジナル版では551人、PK版及びPS2、PSP各版では611人、リメイク版では1000人もの武将が登場します。イベントを通じて結婚することもでき、結婚によって特別なイベントや特技の伝授が発生します。PK版では、子供を育成し、成人後にプレイヤー武将として引き継ぐことも可能です。また、義兄弟や仇敵といった人間関係も新たに導入され、ゲームプレイに深みを与えています。義兄弟は戦前に士気を上げたり、下野時に同行したりするなど大きなメリットがありますが、仇敵は暗殺を仕掛けたり、同じ軍にいると士気が下がったりするデメリットがあります。

新システム

放浪軍という新たなシステムも導入されました。放浪軍は都市を持たない勢力のようなもので、プレイヤーは頭領として同志を募り勢力を拡大したり、他勢力から離脱して放浪軍になったりすることができます。放浪軍は空白都市で旗揚げをしたり、隣接都市に攻め込んで君主となることができます。他勢力は放浪軍から攻撃されない限り、放浪軍を攻撃できません。ただし、在野状態では他の在野武将を見つけにくいため、放浪軍を立ち上げるのは難しい場合もあります。

その他

悪名という隠しパラメータも存在し、略奪や斬首をすると上昇します。悪名が高いと在野武将が会ってくれなかったり、連合を組まれやすくなるといったデメリットがあります。ただし、乞食に金を恵むことで悪名を下げることができます。

本作には、大雪、洪水、イナゴといった災害が発生し、被害を受けた都市のグラフィックが変化するといった特徴があります。また、賊も登場しますが、黄巾賊は勢力自体が賊であるため、支配都市には賊が登場しません。ただし、この設定はシナリオ開始時に黄巾賊だった勢力のみが対象です。

シナリオ

本作は、184年の黄巾の乱から234年の北伐まで、シリーズ最多の51本のシナリオが用意されています。これにより、通常ではプレイできない区星勢力でプレイするなど、マニアックな楽しみ方もできます。主な勢力には独自のオープニングが用意されており、三国鼎立後は魏・呉・蜀の3国に必ず独自のオープニングがあります。

初心者向けに、主な勢力や名場面・重要な史実の場面でゲームを始められるシナリオ選集も用意されています。PK版やPS2、PSP版では、241年、249年、263年の諸葛亮死後のシナリオも選択できるようになり、三国時代後期の人物を中心に、60人の武将が追加されました。さらに、PS2、PSP版では全武将が一堂に会した「英雄集結」シナリオも追加されています。

リメイク版について

2024年10月24日には、『三國志VIII with パワーアップキット』のリメイク版である『三國志8 REMAKE』が発売されました。リメイク版は、オリジナル版の人間ドラマを高く評価しつつ、戦闘テンポの悪さを改善するなど、ゲームシステムが大幅に調整されています。開発は、『三國志14 with パワーアップキット』の後に企画され、当初は君主プレイと武将プレイの両方ができるような構想がありましたが、最終的に武将プレイに特化することになりました。開発チームは、オリジナル版の挙動を研究し、プランナーが作成した基本仕様以外はほぼ作り直されました。

『三國志VIII』は、武将プレイを軸とした歴史シミュレーションゲームとして、非常に高い人気を誇り、そのリメイク版である『三國志8 REMAKE』も、多くのファンから期待されています。

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