三國志X

『三國志X』は、2004年にコーエーテクモゲームスから発売された歴史シミュレーションゲーム「三國志シリーズ」の第10作です。本作は、前作の君主プレイから一転し、『三國志VII』や『三國志VIII』と同様の武将プレイが復活しました。

ゲームの概要

プレイヤーは、三国時代の武将の一人となり、天下統一を目指します。身分は、君主、都督、太守、一般、在野の5種類があり、放浪軍としても活動できます。軍師は役職ではなく特技の一つとなり、武将の能力として扱われます。

マップと移動

ゲームは一枚マップで進行し、都市間を移動する際には、武将や軍隊がマップ上に表示されます。移動中に他の武将と会話したり、襲撃を仕掛けてアイテムを奪うことも可能です。軍隊同士が接触すると、野戦が発生します（同盟・従属関係を除く）。また、賊将の襲撃や賊軍の略奪、酒家の依頼による探索など、様々なイベントが発生します。所持アイテムや軍隊の構成によって、移動速度が変化する要素もあります。

ゲームの進行

ゲームは1日単位で進行し、各コマンドの実行には日数が経過します。施設や都市からの退出、アイテムの売買など、様々な行動で1日が経過します。ただし、輸送に関しては、なぜか日数が経過しないという例外的な仕様となっています。

在野武将の行動

在野の武将は、以前のシリーズよりも多くの行動が可能です。私兵を率いて戦争に援軍として参加したり、都市を攻撃することもできます。

舌戦システム

文官による一騎打ちともいえる「舌戦」システムが本作で初めて導入されました。ビンゴゲームのような形式で、コマンドを出し合い、数字の大きい方が攻撃側となります。知力が高いほど有利に戦えます。コマンドには、道理・利害・情義の3系統があり、同じ系統を揃えるとコンボが発生し、心理バーを大きく押し込むことができます。また、集中、惑乱、再考といった特殊コマンドや、武将の特技も活用することで、さらに有利に戦えます。

一騎打ちシステム

一騎打ちでは、攻撃コマンド（突、斬、払）と防御・回避コマンドを同時に3つ提示して進行します。武技に必要なコマンドを揃えれば必殺技を発動できます。コマンドの優先順位は、回復、反撃、上位攻撃、下位攻撃の順となっています。

戦役システム

大将軍以上の官爵を持つ勢力は「戦役」を発令できます。戦役が発令されると、その地方の他の勢力は味方か敵対かを表明し、マップ上での大規模な戦争が始まります。発令側は敵対勢力の都市をすべて制圧するか、撤退することで勝利となり、敵対側は発令側の都市を一つでも奪えば戦役が終了します。戦役は一度に広範囲の都市を制圧できるメリットがありますが、長期戦になりやすく、兵糧切れに陥りやすいという欠点があります。

従属システム

勢力間の関係には、従属という要素が追加されました。自ら望んで従属することも、勧告によって他勢力を従属させることも可能です。従属関係は同盟と異なり、宗主側からは破棄できません。従属側は同盟を結べず、宗主に収入の1割を献上する必要があります。従属勢力をさらに勧告すれば完全に支配できます。自勢力と従属勢力が全都市を支配すると、従属勢力を滅ぼさなくても中華統一となります。

歴史イベント

史実モードでは、プレイ中に歴史イベントが発生します。本作では、イベントによる支配勢力の変更など、ゲーム進行への影響が大きいイベントが多いです。ただし、イベント発生条件が複雑で、意図的に発生させることは難しいです。仮想モードに設定すれば、歴史イベントを発生させないようにすることもできます。

酒家の依頼事

内政、外交、軍事などの通常の仕事の他に、酒家で依頼事を受けることができます。依頼の種類は83項目にも及び、地方や名声値によって限定されるものもあります。依頼をこなすことで、鍛錬の他に報酬を得ることができます。

結婚システム

パワーアップキット版では、ゲーム内で結婚し、子育てを行うことができます。武将同士の結婚も可能になりました。

シナリオ

PC版では、複数のシナリオが用意されています。PS2版では3つのシナリオのみが初期に収録されていますが、特定の条件を満たすと追加シナリオが出現します。

戦史モード

パワーアップキットで追加されたモードで、ステージクリア型の戦闘を楽しむことができます。

ネットワーク機能

本作ではネットワーク機能が強化されており、ゲーム起動後にアップデートの自動更新、プレイ内容のランキング集計、新武将の交換などが可能です。

『三國志X』は、武将の視点から三国志の世界を体験できる、戦略とドラマに満ちたゲームです。様々な要素が組み合わさっており、やり込み要素も豊富です。

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