三好成行

三好成行：明治期の軍人、華族の生涯

三好成行（みよしなるゆき）は、1845年（弘化2年）に長州藩士の家に生まれました。幕末期には、四国艦隊下関砲撃事件などに参加し、激しい戦乱を経験しました。明治維新後、陸軍に入隊し、着実にキャリアを積み重ねていきます。

1887年（明治20年）には歩兵大佐に昇進。その後、1888年（明治21年）には歩兵第7連隊長に就任し、日清戦争に出征しました。激戦をくぐり抜け、その功績が認められ、1895年（明治28年）には陸軍少将に昇進、歩兵第6旅団長に就任します。さらに、1897年（明治30年）からは翌年まで、威海衛占領軍司令官を兼任するなど、重要な役割を担いました。

1900年（明治33年）には近衛歩兵第1旅団長に就任。翌1901年（明治34年）には、陸軍中将に昇進する傍ら、予備役編入となりました。その後、1903年（明治36年）には後備役となりますが、日露戦争の勃発により召集され、1904年（明治37年）2月には留守第2師団長に就任しました。日露戦争においても、その手腕を発揮し、1905年（明治38年）には後備第2師団長として韓国北部平定作戦に参加。同年11月、召集解除となります。そして1908年（明治41年）4月1日、陸軍を退役しました。

軍人としての輝かしい経歴に加え、三好成行は華族としての地位も得ています。1907年（明治40年）9月21日、その功績が認められ、男爵の爵位を授与されました。

軍人としての職務を終えた後も、三好成行は社会に貢献し続けました。1916年（大正5年）から1918年（大正7年）にかけては、大日本武徳会第6代会長を務め、武道の振興に尽力しました。

数々の勲章や栄典も受章しています。功四級金鵄勲章、勲二等瑞宝章、功三級金鵄勲章、勲一等旭日大綬章など、その功績を物語る数々の勲章が、彼の偉業を後世に伝えています。位階は、正五位から従三位まで昇進しました。

三好成行の家族についても触れておきます。娘婿には、陸軍中将を務めた飯田祥二郎がいます。

三好成行は、幕末から明治、大正にかけての激動の時代を生き抜き、軍人として、そして華族として、日本国の発展に貢献した人物と言えるでしょう。彼の生涯は、日本の近代化を支えた一人としての、貴重な歴史的記録となっています。

参考文献

福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年

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