三好長秀

三好長秀：戦国時代の知勇兼備の武将

三好長秀（みよし ながひで）は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した武将であり、細川氏の重要な家臣でした。彼は三好之長の嫡男として文明11年（1479年）に生まれ、後に三好長慶の祖父となります。

生涯

父・之長と同様に、長秀は知略と勇猛さを兼ね備えた武将として早くから頭角を現し、細川政元に仕えて重用されました。しかし、主君である政元が修験道に傾倒し政務を顧みなくなることがありました。政元が時には大名の地位を捨てて他国で修行したいと言い出すこともあり、長秀は父と共にこれを諫めたという逸話が残っています。

政元の後継者争いでは、長秀は父と共に細川澄元を支持しました。永正の錯乱で政元が暗殺されると、父と共に澄之を討ち、澄元を擁立する中心的な役割を果たしました。この際、父・之長が澄元と対立して剃髪したため、長秀が父に代わって澄元の執事となりました。

しかし、政元の養子であった細川高国が澄元の後継を認めず、大内義興と協力して足利義稙を擁立し、澄元に対抗しました。これにより、長秀は父と共に高国・義興らと戦うことになります。永正6年（1509年）6月、長秀は父と共に京都を奪還しようと試みましたが、如意ヶ嶽の戦いで高国らに敗北。父・之長は阿波へ敗走し、長秀自身も伊勢山田へ逃れましたが、そこで高国と縁戚関係にあった北畠材親の攻撃を受け、弟の頼澄と共に自害に追い込まれました。享年31歳という若さでした。

長秀の生涯は、主君への忠義と、時代の波に翻弄されながらも自らの信念を貫いた武将の姿を今に伝えています。

三好氏との関わり

長秀は三好氏の一員として、その後の三好氏の発展の礎を築きました。特に、彼の孫である三好長慶は、戦国時代に大きな勢力を誇る大名へと成長しました。長秀の存在は、三好氏が歴史に名を残す上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

参考文献

長江正一 『三好長慶』 吉川弘文館〈人物叢書〉、1968年（新装版、1989年4月、ISBN 978-4-642-05154-5）

関連項目

三好氏

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