三宅純

三宅純：ジャンルを横断する音楽の探求者

三宅純（みやけじゅん、1958年 1月7日 - ）は、日本の作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、そしてトランペット奏者です。京都府で生まれ、鎌倉で育ちました。彼の音楽活動は、ジャズを基盤としながらも、ジャンルを超越した多様なスタイルを融合させた独創的なサウンドが特徴です。

若き日の音楽への情熱

神奈川県立光陵高等学校在学中から、新宿ピット・インなどでプロとしてのライブ活動を開始。大学受験を控えた時期には、敬愛するトランペット奏者の日野皓正を訪ね、その推薦により、1976年にバークリー音楽大学へ入学。在学中は、ボストンやニューヨークで自身のグループを率いて演奏活動を展開しました。1981年には、マサチューセッツ州のアーティスト・ファウンデーション主催の作曲コンクール・ジャズ部門で優勝し、その才能を開花させました。

日本帰国後の多彩な活動

1981年に帰国後、ジャズミュージシャンとしての活動を開始。ライブやスタジオワークに加え、作曲、編曲など多岐にわたる分野で才能を発揮。特にCM音楽の分野では、「CM王」と称されるほど数多くの作品を手がけました。その数は3000作を超えるとも言われ、カンヌ国際[[映画祭]]などで受賞した作品も多数あります。1983年には、アルバム『JUNE NIGHT LOVE』でメジャーデビューを果たしました。

国際的な活躍とパリへの移住

1996年、映画監督オリバー・ストーンの推薦により、クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー（CAA）と作曲家として正式契約を締結し、国際的な活動を本格化させます。2005年秋には、拠点をパリに移し、世界を舞台に活動を展開。『Stolen from strangers』（2007年）をはじめとするオリジナルアルバムは、仏独の音楽誌で「年間ベストアルバム」や「音楽批評家大賞」を受賞。2009年には、フランスの大手百貨店ギャラリーラファイエット・オムの「2009年の男」に選出され、パリの街を三宅純のポスターが埋め尽くしました。また、2011年には、ヴィム・ヴェンダース監督の映画『Pina/[[ピナ・バウシュ踊り続けるいのち|Pina_ピナ・バウシュ踊り続けるいのち]]』の音楽を手がけ、ヨーロッパ[[映画賞]]のベストドキュメンタリー賞を受賞、アカデミー賞と英国アカデミー賞にもノミネートされました。

リオ五輪での楽曲提供と音楽監督

2016年には、リオ五輪の閉会式で「君が代」の編曲と後奏曲「ANTHEM OUTRO」の作曲・編曲を担当。音楽監督としても活動し、椎名林檎からの依頼でブルガリアン・ヴォイスを取り入れたアレンジに挑戦しました。2017年には、TBS系ドキュメンタリー番組『情熱大陸』で特集され、外務省が推進する「ジャパン・ハウスサンパウロ」のオープニング記念コンサートでは、坂本龍一と共演しました。

近年の活動と新たな拠点

2020年には、舞台の仕事で帰国中に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生したため、3年間日本に滞在。2023年9月には、フランスのビザが失効したことを機に、ニューヨークに新たな拠点を築く決意をし、アーティストビザ取得の準備を開始。2024年5月にニューヨークへ渡り、新拠点の設置を進めています。

音楽性とその影響

三宅純の音楽は、ジャズ、クラシック、シャンソン、キャバレーミュージック、エレクトロニカ、南米音楽、ブルガリアン・ヴォイスなど、多様な音楽要素が混ざり合い、独自のサウンドを生み出しています。彼の音楽は、ピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダース、フィリップ・ドゥクフレ、ハル・ウィルナー、ロバート・ウィルソンなど、国内外のクリエイターに影響を与え、共に作品を制作しています。

多岐にわたる交流

ハル・ウィルナー、ロバート・ウィルソン、ピナ・バウシュ、ヴィム・ヴェンダースなど、数多くの海外アーティストとの交流を通じて、国際的な評価を高めてきました。パリ・シャイヨー宮でのフィリップ・ドゥクフレとの即興セッション、ロバート・ウィルソンの作品の音楽監督、北京での京劇俳優とのセッション、ベルリン・ジャズ・フェスティバルへの参加など、その活動は多岐にわたります。

家族と背景

三宅純の父は、東レの研究所所長を務めた三宅昭久。祖父は三菱商事の三宅輝男。母は、神戸大学名誉教授の五百籏頭眞治郎の長女で、母方の親族にも学者やアナウンサー、映画監督など、多才な人物が多くいます。

主要作品

スタジオアルバム、ミニアルバム、シングル、サウンドトラック、参加作品、映画音楽、TVドラマ、TVアニメ、舞台作品、出演・客演、イベントなど、幅広い分野で作品を発表しています。特に、「Lost Memory Theatre」シリーズは、彼の音楽性の集大成とも言える作品です。

受賞歴

マサチューセッツ州アーティスト・ファウンデーション作曲コンクールジャズ部門優勝をはじめ、カンヌ国際広告祭、広告電通賞、国際放送広告賞、クリオアワーズ、ACC賞、JAM広告音楽賞など数々の賞を受賞。ドイツの『音楽批評家大賞』も受賞しています。

三宅純は、常に新しい音楽の可能性を追求し、その活動は、ジャンルや国境を超えて、多くの人々に影響を与え続けています。

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