三島一声

三島 一声について

三島 一声（みしま いっせい）は、1889年に京都府与謝郡伊根町で生まれた民謡歌手です。彼の本名は三野哲太郎であり、三嶋 一聲とも表記されます。彼の音楽的な影響は戦前の日本において重要なものでした。1974年に85歳でこの世を去った彼は、今もなお多くの人々に記憶され続けています。

青年期の経歴

三島一声は、本庄浜の三野家に長男として誕生しました。地元の学校を中退後、彼は自身の才能を磨くために上京しました。絵画を学ぶ目的で東京へ向かう途中、彼はフランスに渡り、さらには中国で特務機関員として活動するなど、多岐にわたる経験を積みました。1929年、彼は日本に帰国し、1930年には東京で料亭を経営することになります。この多様な人生経験が彼の後の音楽活動にも大きな影響を与えました。

音楽活動の始まり

彼の音楽キャリアの始まりは、ある帰国慰労会での出来事からです。その会場では、著名な作曲家の山田耕筰が隣の部屋にいました。彼の歌声は山田の耳にも入り、これが彼に歌手としての道を歩ませるきっかけとなりました。三島は日本コロムビアに入社し、正式に歌手としての活動を始めました。

ヒット曲とその影響

1932年、彼は日本ビクターに移籍。この時期に吹き込んだ「東京音頭」は、大ヒットを記録し、多くの人々に親しまれることとなりました。続く1934年には、「さくら音頭」が登場し、再びヒットを果たしました。これらの楽曲は、彼だけでなく、日本の民謡の普及にも寄与しました。

引退とその後の活動

しかし、彼は1938年に歌謡界から引退します。音楽活動を中止してからも、太平洋戦争中は従軍歌謡慰問団として中国各地で歌い続けました。このように、戦時中の活動も忘れてはならない彼の足跡です。1958年、故郷の伊根町本庄浜に戻った彼は、静かな生活を送ることになります。

生涯の終焉

1974年7月19日、三島一声は老衰のため、85歳でこの世を去りました。彼の人生は音楽だけでなく、様々な経験に満ちたものであり、音楽の世界に多くの影響を与え続けました。

記念碑

故郷の伊根町本庄浜にある浦嶋神社（宇良神社）境内には「三嶋一聲之碑」が建立されており、彼の偉業を今に伝えています。また、彼の義弟である木村次郎右衛門は、男性の長寿記録保持者としても知られています。三島一声の生涯は、日本の音楽歴史の中で輝かしい一ページを刻んでいます。

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