木村次郎右衛門

木村次郎右衛門：生涯と長寿の記録

木村次郎右衛門は、1897年（明治30年）4月19日に生まれ、2013年（平成25年）6月12日に116歳で亡くなった、日本のスーパー[[センテナリアン]]です。出生名である金治郎から、婿入り先の木村家で9代目次郎右衛門を襲名しました。彼は、確かな生年月日と死亡年月日が確認されている男性の中で、史上最も長生きした人物として知られています。また、19世紀生まれの最後の男性でもありました。

生い立ちと職歴

木村次郎右衛門は、三宅家の6人兄弟の3番目として誕生しました。京都郵便局通信生養成所を卒業後、20歳から65歳までの45年間、郵便局に勤務しました。1920年代には、日本統治下の朝鮮で政府の通信部門で働いた経験も持ちます。結婚後は、歌手の三嶋一聲の妹である木村八重と夫婦となり、8人の子供を育てました。長男が近衛兵であったことを誇りにしていました。

1962年に郵便局を退職した後も、90歳になるまで畑仕事を続けました。晩年は、孫の妻と二人暮らしで、毎朝5時半に起床し、夜8時に就寝するという規則正しい生活を送っていました。朝食にはヨーグルトやサツマイモ、梅干しを、夜には牛乳を飲む習慣がありました。食事に好き嫌いはなく、ジャガイモが好物で、食べる量も自分で決めていたそうです。

長寿の秘訣と晩年

木村次郎右衛門は、長寿の秘訣について、「食べ物に好き嫌いはない。食細くして命永かれ」「苦にするな嵐のあとに日和あり」といった言葉をモットーとしていました。足腰が弱くなった晩年は、外出は通院に限られていましたが、新聞を毎日1時間から3時間かけて読んだり、テレビの国会中継や大相撲を欠かさず見ていました。

2009年のインタビューでは、日本最高齢の男性になったことについて「責任の重さみたいなのを痛感している。1日でも長く元気でありたい」と語りました。また、テレビで国会中継を見る理由については「時代についていけないようではいけない」と述べています。2012年には、敬老の日に京丹後市長から贈り物を贈られた際、「サンキュー」と答えたエピソードが残っています。

世界最高齢の記録と死去

2012年12月17日には、存命人物として男女を含めた世界最高齢者となり、同年12月28日には、クリスチャン・モーテンセンの記録を抜いて、男性で史上最も長生きした人物となりました。2013年4月19日の誕生日には、安倍晋三首相（当時）からお祝いのメッセージが贈られました。

しかし、その後肺炎を患い、5月11日に入院。入院から1ヶ月後の6月12日に老衰のため、116歳54日で亡くなりました。亡くなった時点で、7人の子供（5人が存命）、14人の孫、25人のひ孫、15人の玄孫がいました。

死と葬儀

葬儀は6月14日に執り行われ、親族ら130人が参列しました。京丹後市長や安倍晋三首相（当時）も弔意を示し、木村次郎右衛門の偉業を称えました。

長寿記録の変遷

木村次郎右衛門は、その長寿において数々の記録を塗り替えました。

2007年：老人学研究団体により110歳超えリストに登録。
2009年：田鍋友時の死去に伴い、日本最高齢の男性となる。
2011年：ウォルター・ブルーニングの死去に伴い、世界最高齢の男性となる。
2011年：中願寺雄吉の記録を抜き、日本の男性歴代最高齢となる。
2011年：長谷川チヨノの死去に伴い、日本最高齢の人物となる。
2012年：ディーナ・マンフレディーニの死去に伴い、世界最高齢となる。
* 2012年：クリスチャン・モーテンセンの記録を上回り、男性で史上最も長生きした人物となる。

木村次郎右衛門は、その長寿と生き方を通して、多くの人々に勇気と希望を与えた人物でした。

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