三嶋牧場

北海道浦河町の老舗牧場、有限会社三嶋牧場

北海道浦河郡浦河町に位置する有限会社三嶋牧場は、サラブレッドの生産と育成を専門とする牧場です。戦前から続く日高地方の老舗として、その歴史は長く、1960年には法人化されました。現在では、浦河町を中心に20以上の放牧地を所有し、約90頭の繁殖牝馬を飼育しています。さらに、野深分場、富川分場、BTC三嶋といった複数の拠点を持ち、生産から育成までを一貫して行う総合的な牧場経営を展開しています。年間約70頭の競走馬を生産する規模を誇ります。

活躍馬と牧場の成長

三嶋牧場は、数々の名馬を輩出することで知られています。特に近年は目覚ましい活躍を見せており、2019年には生産馬が牡馬クラシック戦線で活躍。メイショウテンゲンの弥生賞勝利、ダノンキングリーの皐月賞3着・東京優駿2着、そしてマスターフェンサーのアメリカ遠征など、数々の好成績を残しました。さらに、マスターフェンサーはケンタッキーダービーとベルモントステークスにも出走するなど、国際的な舞台でも存在感を示しました。

これらの成功について、三嶋健一郎取締役は、一貫した育成方針に加え、積極的な投資による牧場の拡大路線が功を奏したと語っています。海外からの優良な繁殖牝馬の導入にも力を入れており、血統改良にも積極的に取り組んでいる姿勢が伺えます。

2021年には、ダノンキングリーが安田記念を制覇し、三嶋牧場にとって初のGI競走優勝馬を輩出しました。これは、牧場の生産技術と育成力の高さを証明する大きな成果と言えるでしょう。

代表的な生産馬

三嶋牧場が生産した競走馬の中には、数々のGI競走やJpnI競走を制した名馬が多数います。その一部を以下に示します。

メイショウベルーガ: 日経新春杯、京都大賞典
チェレブリタ: 京都牝馬ステークス
ダブルウェッジ: アーリントンカップ
メイショウカンパク: 京都大賞典
エーシンメンフィス: 愛知杯
メイショウブシドウ: 小倉サマージャンプ、阪神ジャンプステークス
カンタービレ: フラワーカップ、ローズステークス
ミッキーチャーム: 阪神牝馬ステークス、クイーンステークス
メイショウテンゲン: 弥生賞
ダノンキングリー: 共同通信杯、毎日王冠、中山記念、安田記念
マスターフェンサー: マーキュリーカップ、白山大賞典、名古屋グランプリ
バスラットレオン: ニュージーランドトロフィー、ゴドルフィンマイル、1351ターフスプリント
ファストフォース: CBC賞、高松宮記念
メイショウハリオ: みやこステークス、マーチステークス、帝王賞（2連覇）、かしわ記念
テーオーロイヤル: ダイヤモンドステークス（2勝）、阪神大賞典、天皇賞（春）
メイショウミモザ: 阪神牝馬ステークス
アートハウス: ローズステークス、愛知杯
サウンドビバーチェ: 阪神牝馬ステークス
ルガル: シルクロードステークス、スプリンターズステークス
メイショウタバル: 毎日杯、神戸新聞杯

これらの競走馬は、三嶋牧場の高い生産技術と育成力の証であり、日本の競馬界に大きな貢献を果たしています。

代表者と主な繋養馬

三嶋牧場の代表者は三嶋昌春氏です。また、牧場では多くの繁殖牝馬が繋養されており、その中には上記の活躍馬の母馬も含まれています。代表的な繋養馬としては、メイショウベルーガ（メイショウテンゲン、メイショウミモザの母）、マイグッドネス（ダノンキングリーの母）、メイショウオウヒ（メイショウハリオ、テーオーロイヤルの母）などが挙げられます。

今後の展望

三嶋牧場は、今後も生産技術の向上と新たな挑戦を続け、日本の競馬界をリードする存在であり続けることでしょう。 海外からの繁殖牝馬導入、そして、生産馬の活躍を通じて、更なる発展が期待されます。 吉澤ステーブルなどとの連携も強化することで、より質の高い競走馬生産を目指していくものと考えられます。

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