三星堆遺跡

三星堆遺跡

三星堆遺跡は、中国の四川省徳陽市広漢県に位置する古代の遺跡で、長江文明に属するとされています。この遺跡は1986年に発見され、その存在は紀元前2000年頃またはそれ以前の古蜀文化に起源を持つと考えられています。遺跡の発掘は1929年に始まりますが、その後長い間具体的な調査が行われていませんでした。1980年代初頭から再開された発掘によって、当時の住居跡や城壁の痕跡が見つかり、古蜀王国の都城である可能性が浮かび上がりました。

概要と発掘の歴史

三星堆遺跡は、約5000年前から3000年前にかけて栄えた古蜀文化の中心地であり、遺跡は全体で約12平方キロメートルの広さを誇ります。最初の発見は農民の手によるもので、1931年にはイギリス人の考古学者によって正式に記録されましたが、1980年代に入るまで本格的な調査が行われることはありませんでした。

1980年から1981年にかけての調査で、住居跡や東・西の城壁が発見され、これにより遺跡の重要性が示されました。1986年には年代が約5000年前と特定され、さまざまな貴重な出土品が確認されました。これにより、1988年には国務院が国の重要文化財として保護することが決定されました。

その後も調査が続き、1996年には科学的な調査が行われ、2005年には基本的な発掘が一段落しました。遺跡の中には、城壁や祭祀用の杭、その他の重要な構造物が確認され、古蜀文化の生活様式や宗教観が浮き彫りになっています。

発見された考古遺物

三星堆遺跡からは、異様な造形の青銅製仮面や巨大な立像、神樹など多様な遺物が出土しています。これらはすべて三星堆博物館に所蔵されています。代表的な遺物のひとつ、青銅人頭像は、独特の形状の頭部を持つ人像が多く発見されており、文化的独自性を示しています。

また、最も注目されているのが「青銅縦目仮面」で、これは世界で最大の青銅製仮面として知られています。大きな耳と奇妙に突き出た眼を持ち、神の表情を表現しているとされています。さらに、青銅製の神樹や大規模な祭りに使われた像なども発掘されており、これらは古蜀王国の豊かな宗教観や社会構造を示す重要な証拠となっています。

文化的意義

三星堆遺跡は、中国における長江文明の中での多次元的な起源を理解する手がかりとなっています。中国の古代文化の多様性や、独自の進化を遂げた文明の一端を示しており、その発見は国内外において大きな注目を集めています。遺跡から出土したさまざまな遺物は、古代の人々の生活、信仰、そして社会構造を考古学的に探求する貴重な資料として位置づけられています。

このように、三星堆遺跡はその歴史的背景と出土品により、中国の古代文明を理解するための鍵を握る重要な場所であり、その価値は今後もさらに認識されていくことでしょう。

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