三木行治

三木行治

三木行治（みき ゆきはる、1903年5月1日 - 1964年9月21日）は、昭和期に岡山県知事を務めた医師・政治家です。彼の功績は、今日の岡山県の発展に大きく寄与しており、特に水島臨海工業地帯の誘致は、県経済に大きな影響を与えました。その功績が認められ、日本人として初めてマグサイサイ賞を受賞しました。

生涯

1903年、三木行治は岡山県御野郡牧石村（現在の岡山市北区畑鮎）に生まれました。旧制岡山中学、旧制六高を経て、1929年に旧制岡山医科大学（現在の岡山大学医学部）を卒業。その後、九州帝国大学（現在の九州大学）法文学部も卒業しています。1937年には医学博士の学位を取得し、医師としての専門知識と学術的な背景を確立しました。

1939年、三木は厚生省保険院簡易保険局監理課に入り、官僚としてのキャリアをスタートさせます。最終的には厚生省公衆衛生局長という要職を務め、公衆衛生の向上に貢献しました。

1951年、三木行治は岡山県知事選挙に出馬し、初当選を果たします。以後、4期16年にわたり知事を務め、県政の発展に尽力しました。

1964年8月、マグサイサイ賞を受賞。しかし、そのわずか1ヶ月後の9月21日に逝去しました。彼の遺体は、岡山県御津郡津高町（現在の岡山市北区横井上）に埋葬されています。

主な業績

三木知事の在任中には、以下のような事業が提唱・推進されました。

岡山県南百万都市構想: これは実現には至りませんでしたが、県南部の発展を目指した壮大な構想でした。
水島臨海工業地域: 現在の水島コンビナートは、三木知事の尽力によって誘致され、岡山県経済の発展に大きく貢献しました。
岡山県立大学: 県民の高等教育の機会を拡充するため、県立大学の設立を主導しました。
桃太郎少年合唱団: 子供たちの情操教育を目的とした合唱団の創設を支援しました。
開眼運動（アイバンク）: 角膜移植を推進するためのアイバンク設立に尽力しました。
岡山国体: 国民体育大会の開催を実現し、県民のスポーツ振興に貢献しました。
県庁舎の建設: 老朽化した県庁舎の建て替えを推進しました。
団地の建設: 住宅不足の解消と県民の居住環境の向上を目指し、団地建設を推進しました。

死後

マグサイサイ賞の受賞金は、三木の遺志により、全額が岡山県に寄付されました。この寄付金と県民からの寄付金を中心に、1965年に岡山県三木記念事業基金が設置され、郷土の発展のために活用されています。

また、三木は生前からアイバンク設立に尽力し、自らも第1号の登録者となりました。彼の死後、提供された角膜は二人の女性に移植され、視力を回復させることができました。

伝えられるところによると、三木が亡くなった時、彼の私財は身に着けていた服と眼鏡だけだったと言われています。県政に尽力した清廉潔白な人柄が偲ばれます。

外部リンク

三木知事とは - 岡山県医師会
三木行治（おかやま人物往来） - 岡山県立図書館

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