三杉里公似

三杉里 公似: 元大相撲力士の歩み

滋賀県甲賀郡信楽町に生まれた三杉里公似（本名: 岡本公似）は、二子山部屋に所属していた元大相撲力士です。1962年7月1日生まれの彼は、185cm、159kgの体格を持ち、最高位は東小結にまで達しました。現役時代には右四つの相撲を得意とし、その技術で多くのファンを魅了しました。また、映画や音楽鑑賞、ゴルフを趣味としており、格闘技の観戦にも親しんでいました。

生い立ちと相撲への道

三杉里は、陶芸が盛んな地域で生まれ育ちます。彼の父は陶芸燃料商を営んでおり、地元の信楽中学校を経て、信楽工業高校の窯業科に進学しました。しかし、レスリング部での活躍により、彼は大相撲への道を選び、16歳で初土俵を踏むことになりました。

彼が入門するきっかけは、父の知人であった元力士の柴田との関係でした。最初は母親から強い反対を受けたものの、若者の熱意と努力が母を納得させ、高校を中退して二子山部屋に入門しました。

現役力士としての成績

1979年1月場所で初土俵を上げた三杉里は、最初の数年で着実に成績を上げました。1980年には四股名を「三杉里」に改名し、1984年に新十両に昇進。その後、1986年には十両優勝を果たし、1988年5月に待望の入幕を果たしました。入幕後は西小結に昇進し、幕内上位での安定した成績を保ちながら、特に貴花田（後の貴乃花）との対戦では連勝を収め、「貴花田キラー」として名を馳せました。

輝かしいキャリアの終焉

しかし、30歳を過ぎると故障に悩まされ始め、徐々に成績が低下。1998年には幕下に陥落しつつも、自身の通算700勝を更新して引退を決意しました。引退後は相撲界に留まらず、準年寄として後進の指導に携わることになります。

引退後の活躍

三杉里は1998年に引退し、同年の準年寄制度を利用して親方となりました。その後、2000年には年寄・17代濱風を襲名し、間垣部屋に移籍。2006年に退職した後は、鎌倉でちゃんこ店を経営。さらに、整体学校に通いながら、漢方医学を学んで中国にも留学しました。2008年には東京都中野区に「健康回復館　三杉里のごっつハンド」を開業し、整体技術を教える教室も運営しています。

プロとしての人柄と周囲とのつながり

高校時代からレスリングでの実績を持つ真面目な性格の彼は、滋賀県の保険税完納推進キャンペーンのイメージキャラクターとしても起用されました。また、元力士としての顔だけではなく、解説者としても活躍し、テレビにも登場しています。

2012年にはTBSの特番に出演し、相撲界での活躍を振り返る機会もありました。結婚して1男1女をもうけた彼の家族も、アメリカンフットボールに出場するなど、父の背中を見て育ったのでしょう。

格闘技へ情熱を持ち続ける

今でもプロレスやボクシングの観戦を楽しむ三杉里は、錣山部屋の師範代も務め、相撲文化の伝承に力を注いでいます。彼の努力は今に続き、多くの人々に影響を与え続けているのです。

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