三村庸平

三村庸平：三菱商事を牽引した実業家

三村庸平（みむら ようへい）は、大正6年（1917年）に生まれ、平成18年（2006年）に没した、日本の実業家です。三菱商事の社長として手腕を発揮し、三菱グループの主要企業が集まる「金曜会」の世話人としても知られています。その功績から、勲一等瑞宝章を受章しました。また、阪急電鉄の元社長・会長である小林公平は実弟にあたります。

生涯

三村庸平は東京で生まれ、実家は大分県臼杵市にありました。昭和15年（1940年）に慶應義塾大学経済学部を卒業後、三菱商事に入社し、南方へ派遣されました。第二次世界大戦後、財閥解体によって設立された明光商事に入社。その後、昭和29年（1954年）に三菱商事が再統合されると、水産部長、ソウル支店長、米国三菱商事社長、本社副社長といった要職を歴任し、昭和55年（1980年）に社長に就任しました。

社長在任中は、中国事務所の設置に尽力するなど、国際的な事業展開を推進しました。昭和61年（1986年）に会長に就任してからは、三菱グループの「金曜会」世話人としても活躍しました。昭和62年（1987年）に刊行された三菱商事の社史においては、その題字を揮毫しています。

また、昭和60年（1985年）から日本貿易会会長、慶應義塾評議員会議長を歴任し、平成元年（1988年）からはアジア経済研究所会長も務めるなど、経済界や教育界にも貢献しました。平成2年（1990年）には、長年の功績が認められ、勲一等を下賜されています。平成18年（2006年）5月22日、急性肺炎により89歳で生涯を閉じました。

家族

三村家は、臼杵藩士を祖とする家系であり、祖父の三村君平は、三菱財閥の幹部として活躍しました。君平の娘婿には俵孫一や今村英祐がいます。

父の三村称平は三菱銀行取締役を経てキリンビール常務を務めました。母は緒方洪庵の孫にあたる秋江です。

兄弟も各界で活躍しており、弟の緒明泰平は静岡銀行頭取、土井周平は紀北信用金庫理事長、三村亮平は阪急不動産副社長を務めました。また、小林公平は阪急電鉄の社長・会長として知られています。

妻は田中銀之助の二女である啓子で、長男の三村隆平はカワセコンピュータサプライ常務を務めています。

父方叔父の三村準平は、東京海上火災保険に入社し、大平起業の常務を務めました。義父は福澤諭吉の二男である福澤捨次郎です。

三村庸平は、三菱商事の発展に大きく貢献しただけでなく、日本の経済界、教育界にも多大な影響を与えた人物でした。

もう一度検索