三段峡駅

三段峡駅について

三段峡駅は、広島県山県郡戸河内町（現・安芸太田町）に位置していた、西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の終着駅でした。1969年（昭和44年）に開業しましたが、可部線の非電化区間廃止に伴い、2003年（平成15年）1[[2月1日]]にその歴史に幕を閉じました。

歴史

1969年、可部線が加計駅から三段峡駅まで延伸した際に、この駅は誕生しました。当初は、島根県の浜田駅まで線路を延ばす計画があり、「今福線」として工事が進められていましたが、1980年（昭和55年）の国鉄再建法の施行により、その工事は中止されました。

1970年代には、特に紅葉シーズンなどの休日に、三段峡へ向かう観光客で非常に賑わいました。ディーゼルカー4両編成が満席になるほどでしたが、平日は利用者が少なく、その差は顕著でした。1日の平均利用者数は約100人程度で、その半数以上は戸河内へ通学する小中学生でした。これらの通学利用は、鉄道が地域にとって重要な交通手段であることを示していましたが、低額な通学定期券の利用が多かったため、駅の営業係数の改善には繋がらず、管理事務所が「計算したくなくなるほど」経営状況は悪化していたそうです。

駅舎は解体されましたが、その跡地には安芸太田町立の交流施設「三段峡交流広場」が設けられました。広場内には、かつての三段峡駅の面影を残すモニュメントが設置されています。このモニュメントには、現役時代とは異なる第3種車止めが設置されています。また、広場には広電バスの三段峡バス停留所が隣接しており、広島バスセンターとの間を結ぶバス路線が運行されています。

年表

1969年（昭和44年）1月28日：駅舎落成。
1969年（昭和44年）7月27日：国鉄可部線の駅として開業（業務委託駅）。
1985年（昭和60年）2月1日：無人駅化（加計駅管理下で乗車券類の発売は継続、後に簡易委託駅化）。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化により、JR西日本が継承。
2003年（平成15年）1[[2月1日]]：可部線の一部廃線に伴い廃止。
2005年（平成17年）：駅舎解体。

駅構造

三段峡駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。駅の北端には、線路の終端を示す第4種車止めが設置されていました。また、本線の外側には側線が1本ありましたが、その大部分は撤去され、機能していませんでした。駅舎は、観光地への玄関口として相応しいコンクリート造りの2階建てで、特徴的な斜めの屋根を持つ大きなものでした。廃止されるまで簡易委託駅として運営されており、窓口では委託駅員がピンク色の常備軟券を販売していました。

駅周辺

駅前は、三段峡へのハイキングコースの入口（三段峡正面口）となっており、三段滝までは徒歩約2時間の距離です。駅の横には柴木川が流れています。周辺には、土産物屋、食堂、宿泊施設などの観光客向けの施設がありました。かつては駅舎の横に蒸気機関車（C11 189号機）が保存されていましたが、可部線の一部廃止後、広島県安芸郡府中町のイオンモール広島府中に移設されました。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

可部線: 戸河内駅 - 三段峡駅
今福線（未成線）: 三段峡駅 - 橋山駅

まとめ

三段峡駅は、かつて三段峡への観光客輸送の重要な役割を担っていましたが、可部線の部分廃止に伴い、その役目を終えました。駅の跡地は、現在では地域住民の交流の場として活用されています。

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