三江併流

三江併流地域の特色と保護状況

三江併流（さんこうへいりゅう）は、中国のチベット高原に源を持つ三つの主要な河川、すなわち金沙江（長江上流部）、瀾滄江（メコン上流部）、怒江（サルウィン上流部）が雲南省北部で平行に流れるエリアです。この地域は延べ169万8400ヘクタールに及び、14の保護地域が存在します。生物多様性に富むこの場所は、ユネスコの世界遺産として認定されており、1988年には中華人民共和国の国家重点風景名勝区にも指定されています。

地理と気候

三江併流地域は、横断山脈のほぼ全域を含む複雑な地形を構成しています。この土地は、インド亜大陸とユーラシア大陸の衝突によって形成された壮大な褶曲地帯で、併流する三河川はいずれも異なる海域に注ぎます。具体的には、金沙江は東シナ海に、瀾滄江は南シナ海に、怒江はインド洋に至ります。

この地域は多様な気候を持ち、その結果、さまざまな動植物が生息しています。地域内の動物種の25%が存在しており、中国国内ではその割合が50%に達します。政府によって管理されている791種の動物のうち、198種が中国固有種で、80種は絶滅危惧種としてレッドリストに登録されています。

また、植物についても約6000種が特定されており、その中の2700種が中国固有種です。特に絶滅が危惧される33種の植物は国家レベルで保護されています。

文化的な側面

この地域には、多くの少数民族が暮らしており、彼らの文化は独特な森林文化に支えられています。しかし、近年、森林資源や地下鉱物の開発が進み、環境破壊や宗教的な抑圧が問題視されています。

世界遺産としての登録基準

三江併流は、以下の基準に基づいて世界遺産に登録されました。

• - (7) 卓越した自然美及び美的な価値を持つ自然現象や地域。
• - (8) 地球の歴史の重要な段階を代表する顕著な例。
• - (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋の生態系の進化を示す重要な過程。
• - (10) 生物多様性保全において重要で意義深い自然生息地。

登録された地域

具体的には、次の地域が登録されています：
- 高黎貢山地域
- 白馬雪山および梅里雪山地域（明永氷河所在）
- 哈巴雪山地域
- 千湖山地域
- 紅山雪山
- 雲嶺地域
- 老君山地域
- 老窩山地域
- 生物圏保護区（高黎貢山は2000年にMAB計画の生物圏保護区に指定）

課題と未来

三江併流地域は、その自然の美しさと生態系の重要性に加え、文化的な多様性も有していますが、開発による様々な課題に直面しています。森林資源や鉱物の開発は進行中であり、これが環境劣化や文化消失を招いています。地域の持続可能な発展に向けた取り組みが求められています。

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