三河武士

三河武士とは

三河武士（みかわぶし）とは、戦国時代から江戸時代初期にかけて、徳川家康に仕え、江戸幕府の成立に大きく貢献した三河国（現在の愛知県東部）出身の武士たちの総称です。彼らは「三河衆（みかわしゅう）」とも呼ばれ、酒井忠次や本多忠勝といった、家康の主要な家臣団を構成していました。

特徴

三河武士は、一般的に非常に精強であり、主君である徳川家康への忠誠心が非常に強いことで知られています。その忠誠心の高さは、鳥居元忠のような武将が典型例として挙げられます。

歴史

三河武士という呼称は、江戸時代中期以降に使われるようになったと考えられています。江戸時代初期には、大久保忠教の著書『三河物語』に見られるように、「三河之者」や「三河衆」という呼称が一般的でした。

また、同じ三河国内でも、徳川家康の影響力が及ばなかった時代には、「東三河衆」のように、地域を限定した呼称も使われていました。

構成

三河武士は、徳川家（安祥松平家・松平宗家）が本拠地としていた西三河の安祥城、岡崎城周辺に多くいました。彼らは仕えた時期によって、安祥譜代、岡崎譜代、駿河以降之譜代と区別されています。これらの譜代家臣の区別については、『柳営秘鑑』に詳細が記されています。

幕府における三河武士

江戸幕府における三河出身の親藩、譜代大名は、279藩のうち123藩を数え、直参旗本では840家のうち295家を占めていました。これは、三河武士がいかに幕府において重要な位置を占めていたかを示しています。

三河武士の起源

徳川家康の生誕地である岡崎市は、三河武士発祥の地とされています。岡崎市には三河武士の資料を公開している「三河武士のやかた家康館」があり、三河武士の起源について学ぶことができます。

何にも代え難い家臣

豊臣秀吉が諸大名に自身の持つ宝を自慢した際、徳川家康は「私には、命を賭けてくれる500騎ほどの武士がいる。彼らこそが何にも代え難い宝である」と答えたという逸話が残っています。この逸話は、三河武士団の忠誠心の強さと、家康が彼らをいかに信頼していたかを示すものとして広く知られています。

脚注

『三河物語』
『柳営秘鑑』
『徳川実紀』

関連項目

徳川四天王
三河三奉行
旗本先手役
牛久保六騎
近国衆


この文章は、三河武士の歴史、構成、そして彼らが徳川家康と江戸幕府の成立に果たした重要な役割について詳しく解説しています。彼らの忠誠心と武勇は、今もなお語り継がれています。

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