三河鉄道サハフ35号電車

三河鉄道サハフ35号・サハフ36号電車の概要

三河鉄道のサハフ35号電車及びサハフ36号電車は、1939年に名古屋鉄道（名鉄）の前身である三河鉄道によって導入された付随車です。これらの電車は、急増する乗客数に対応するために他社から購入された車両の一部であり、名鉄に合併された後はサ2130形として公式に認識されました。後に制御車に改造され、ク2130形に形式が変更されました。

構造の特徴

サハフ35号とサハフ36号は、1901年製の鉄道省ホハユ3150形3等郵便合造客車を基にした16メートル級の木造車両です。台車はTR10形が用いられ、車体下部にはトラス棒が設置されており、頑丈さと安定性を兼ね備えています。また、屋根は丸みを帯びた形状に改良され、ガーランド形のベンチレーターが装備されています。

前面には非貫通の3枚窓が配置されており、乗降扉や側窓は1段下降式です。制御車改造時には、片側に新しく乗務員用扉が設置され、窓配置は「11D343D1E」となりました。ホームとの高さを合わせるために、客用扉の内側には昇降用のステップも追加されています。このため、側板の一部は一段低く設計されています。座席はロングシート形式で、乗客の快適な移動を考慮した配置です。

運用の変遷

最初は付随車として運用されていたサハフ35号とサハフ36号でしたが、名鉄との合併後も三河線に留まり続けました。1951年には、1500V電圧の線区用に改造され、ク2130形として再編成されました。その後は、三河線内でモ1060形やモ1070形、モ3000形の制御電動車と連結されて運用されました。

特に、1958年には600V線区用に改装され、各務原線に転属しました。その後1964年には、各務原線の1500V昇圧に伴い、ク2131は小牧・広見線へと移されましたが、ク2132は廃車となりました。名鉄車両部が作成した文書によれば、この形式は老朽化が進んでおり、モ1000形同様に車体の振動も多いと指摘されていました。

その後も不運は続き、1965年には広見線の1500V昇圧に伴い、ク2132が廃車となり、残りのク2131のTR10台車は後に瀬戸線のク2320形に転用されました。

まとめ

三河鉄道サハフ35号およびサハフ36号電車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした車両です。その設計や運用の変遷は、名古屋鉄道の歴史を知る上でとても興味深いものとなっています。これらの電車の姿は過去の鉄道の発展を象徴しており、今後もその歴史が語り継がれることを望むばかりです。

参考文献

• - 加藤久爾夫、渡辺肇「私鉄車両めぐり 名古屋鉄道」『鉄道ピクトリアル アーカイブスセレクション』第30号、電気車研究会、2015年1月。
• - 清水武『名鉄木造車鋼体化の系譜 3700系誕生まで』ネコ・パブリッシング、2015年。
• - 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年。
• - 小寺幹久『名鉄電車ヒストリー』天夢人、2021年。

外部リンク

• - 名古屋レール・アーカイブス『NRA NEWS No.18』（PDF） - ク2131の写真が掲載されています。

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