三洋汽船

三洋汽船株式会社：笠岡諸島を結ぶ航路

三洋汽船株式会社は、岡山県笠岡市に本社を構え、笠岡港と笠岡諸島、さらには塩飽諸島を結ぶ航路を運航する海運会社です。1949年6月の設立以来、地域住民の足として、また観光客の島巡りの手段として重要な役割を担ってきました。

概要

設立当初から笠岡諸島航路を中心に事業を展開し、多度津港と塩飽諸島を結ぶ航路もかつては同社が運航していました。しかし、2020年10月1日に子会社である「たどつ汽船」が発足し、この航路とフェリー「新なぎさ2」が移管されました。現在、それぞれの航路は独立していますが、毎週土曜日には笠岡諸島の真鍋島から塩飽諸島の佐柳島までを結ぶ旅客船が1往復運航され、本州と四国を結ぶ役割も担っています。

笠岡港の待合所は老朽化に伴い、笠岡市によって隣接地に「笠岡諸島交流センター（笠岡港旅客船ターミナル『みなと・こばなし』）」として新築移転されました。2017年3月11日に供用を開始したこのセンターは、岡山県立大学デザイン学部の学生のアイデアを取り入れたもので、切符売り場、待合室、多目的交流スペース、ギャラリーなどが設けられています。地域連携の拠点として、地域創生にも貢献しています。

運航事業者の統合

笠岡諸島への定期旅客船は、かつて三洋汽船の他に「豊浦汽船」と「六島航路」の2社が運航していましたが、人口減少と高齢化による旅客数の減少により、経営状況が悪化。笠岡市が中心となり、将来的な航路維持のため、運航事業者の統合と航路再編が行われました。2011年4月1日に三洋汽船を存続会社として豊浦汽船と六島航路から事業譲渡を受け、同年10月1日から新航路での運航を開始しました。この統合により、航路の維持と効率化が図られ、離島航路補助金の削減にもつながりました。

現在の航路

笠岡港（住吉港） - 神島 - 高島 - 白石島 - 北木島（楠港） - 北木島（大浦港） - 真鍋島（本浦港） - 真鍋島（岩坪港）＜旅客船＞
笠岡港（住吉港） - 神島 - 高島 - 大飛島（北浦港） - 大飛島（洲港） - 小飛島 - 六島（湛江港） - 六島（前浦港）＜旅客船＞
笠岡港（伏越港） - 白石島＜車載旅客船＞(2023年12月31日で運休)
佐柳島（本浦港） - 真鍋島（本浦港）＜旅客船＞※土曜日1往復のみ

これらの航路は、島民の生活を支えるだけでなく、観光客にとっても魅力的な島々を巡るための重要な交通手段となっています。詳細な時刻表や運賃については、公式サイトをご確認ください。

主な船舶

三洋汽船は、複数の船舶を保有し、それぞれの航路や目的に合わせて運用しています。

ニューかさおか: 笠岡～真鍋島航路の高速船。
しおじ: 笠岡～六島航路の普通船。
つむぎ: バリアフリーに対応した最新鋭の旅客船。
ぷりんす: 笠岡～真鍋島航路の普通船。
ニューおおとり: 各航路共通予備船。
くれいるさんよう: 貸切船。
* さんよう: 以前は白石島航路で使用されていたフェリー。

これらの船舶は、島々の間を結び、人々の生活と交流を支えています。

三洋汽船は、笠岡諸島の貴重な交通インフラとして、これからも地域社会に貢献していくことが期待されます。

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