三田村武夫

三田村 武夫について

三田村 武夫（みたむら たけお、1899年6月11日 - 1964年11月24日）は、日本の政治家であり官僚としても知られています。岐阜県揖斐郡川合村（現・大野町）で生まれ、警察講習所を卒業後に内務省警保局や拓務省管理局での勤務を経て、1937年に衆議院議員に当選しました。

政治活動と思想

三田村の政治活動は1936年の選挙で一度落選した後、翌1937年に再度岐阜県2区から立候補し当選することに成功しました。特に注目すべきは、彼が1938年の武漢作戦において、日本と中国の和平に関する意見を「不愉快」で「馬鹿げた」と表現し、日本は他国から和平の申し出を受け入れるべきではなく、武力による「国民政府抹殺」を推進すべきであると主張したことです。これにより、彼は当時の持論を明確化しました。

また、三田村は中野正剛が中心となった東方会に所属し、国家社会主義的な右翼思想に共鳴していました。彼は当初は翼賛選挙に対して批判的であったものの、1941年には南進政策を強調し、政府の方針を推進するために様々な活動を行うことを提唱しました。

1943年には東条内閣打倒を目指し、近衛文麿や岡田啓介などの重臣への働きかけを行うも、その結果として逮捕されてしまいます。この事件は「中野正剛事件」と呼ばれ、逮捕後は監視付きで釈放された後、衆議院に出席しないことを誓約しました。

戦後、彼は中野の意志を引き継ぎ、独立自由連盟を結成。その後、1951年には辻宣夫や小島玄之らと「日本青少年善導協会」を設立し、反共産主義の啓蒙活動を進める計画を立てましたが、法務総裁の助言を受けて暴力的な「反共抜刀隊」構想へとシフトしました。しかし、この計画は当時の内閣総理大臣吉田茂の反対によって頓挫したとされています。

評価と著書

三田村はその著作『戦争と共産主義』により評価されており、塩崎弘明はこれを「統制派アカ」の論として評し、「陰謀史観」に満ちていると述べています。一方で、岸信介は同書に序文を寄せてその内容を評価しました。

略歴

• - 1928年6月: 内務省警保局勤務（1932年1月まで）
• - 1932年10月: 拓務省管理局勤務（1935年6月まで）
• - 1936年2月: 第19回衆議院議員選挙に立候補、落選
• - 1937年4月: 第20回衆議院議員選挙に立候補、当選
• - 1942年4月: 第21回衆議院議員選挙に立候補、当選
• - 1943年9月6日: 警視庁に逮捕
• - 1946年2月: 公職追放
• - 1951年8月: 追放解除
• - 1952年10月: 第25回衆議院議員選挙に立候補、落選
• - 1953年4月: 第26回衆議院議員選挙に立候補、落選
• - 1955年2月: 第27回衆議院議員選挙に立候補、当選
• - 1958年5月: 第28回衆議院議員選挙に立候補、当選
• - 1960年11月: 第29回衆議院議員選挙に立候補、落選
• - 1963年11月: 第30回衆議院議員選挙に立候補、当選
• - 1964年11月24日: 死去

代表的な著書

• - 『警察強制の研究』(1930年)
• - 『改正違警罪即決例解説』(1931年)
• - 『運転手法律必携』(1932年)
• - 『戦争と共産主義』(1950年)
• - 『大東亜戦争とスターリンの謀略』(1987年)

三田村武夫は、彼の政治的活動や著作者としての貢献を通じて、昭和時代の日本政治における重要な人物とされ続けています。

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