三笑亭可風

三笑亭可風

三笑亭可風（さんしょうてい かふう）は、1974年11月7日生まれ、静岡県磐田市出身の落語家です。本名は安江正。落語芸術協会の真打として活躍しています。

略歴

磐田市立南部中学校、静岡県立浜松工業高等学校建築科を卒業後、1994年5月に六代目古今亭志ん馬に入門し、古今亭志ん吉という前座名を授かります。しかし、入門からわずか4ヶ月後、師匠である志ん馬が急逝。

その後、様々な職を転々としながら、小笠原諸島の父島でウミガメの調査に携わるという異色の経歴を持ちます。

2002年、九代目三笑亭可楽に再入門し、三笑亭可女次となりました。2007年に二ツ目に昇進、2016年5月には神田鯉栄、橘ノ圓満と共に真打に昇進し、現在の三笑亭可風に改名しました。

人物

落語家になるまで

学生時代、地元である磐田市に林家こん平が来た際、高座で聞いた小噺に感銘を受けたことが、落語家を志すきっかけとなりました。高校卒業後、資金を貯めるために三重県の伊勢戦国時代村に就職。忍者として勤務しましたが、バク転ができなかったため船頭に配置換えになったというエピソードを持っています。その後、1年間勤務した後、上京しました。

落語家生活

六代目古今亭志ん馬に入門し、前座修行を開始。鈴々舎馬頭、三遊亭ぐん丈、林家すい平らと親交を深めました。また、落語家を辞めた五街道わたしとは、その後も年賀状のやり取りを続けていました。

しかし、入門からわずか4ヶ月で師匠である志ん馬が他界。古今亭志ん朝の門下への誘いもありましたが、これを断り一度は廃業しました。志ん馬の自宅を出て坂を下ったところにある八百屋の前で、兄弟子である古今亭志ん次と泣いたといいます。

志ん馬の死後

志ん馬の死後、長野県川上村でのレタス栽培、奈良県・柳生の里の造り酒屋での蔵人、インド・バンガロールフィルムシティでハリウッド映画『アメリカン・ソルジャー』のエキストラ、サルナートの日本寺で瞑想など、様々な職を転々としました。その後、小笠原諸島の父島でウミガメの産卵調査に携わります。

その後、落語界への復帰を決意。元兄弟子である七代目古今亭志ん馬への入門を考えましたが、真打昇進後間もないことを理由に断られました。

可楽門下で再出発

2002年3月、九代目三笑亭可楽に入門。入門理由は「師匠に呼ばれたから」とのことですが、当の可楽本人は「呼んだ覚えはない」と語っています。可楽は、可風が志ん馬門下時代に何か大きな失敗をし、そのために自分のところへ来たのではないかと考え、志ん馬夫人に電話で確認しましたが、そのような事実はなかったそうです。

その他

幼少期には、いたずら好きな姉から目の下にキンカンを塗られたり、背中にカエルを入れられたり、ネズミ花火を投げ込まれたりといったイタズラを受けていたそうです。妻は八代目春風亭柳橋の姪にあたり、二女一男の父でもあります。

芸歴

1994年5月 - 六代目古今亭志ん馬に入門、前座名「志ん吉」。
1994年9月 - 師匠の志ん馬が死去し、廃業。
2002年 - 九代目三笑亭可楽に入門、「可女次」を名乗る。
2007年 - 二ツ目昇進。
2016年5月 - 真打昇進、「可風」に改名。

出演

日曜バラエティー（NHKラジオ第1放送） - 「コロコロトリオ」4代目リーダー、2009年4月5日 - 2012年3月18日
ラジオ深夜便（NHKラジオ）「名人芸を味わう「酢豆腐」六代目・古今亭志ん馬」（2022年4月16日）- ゲスト

CD

三笑亭可風 落語三席ライブ「幾代餅」「茄子娘」「抜け雀」（2021年、可風会）

外部リンク

三笑亭可風 - 落語芸術協会
可風会・三笑亭可風の落語を聞く会

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