三菱・コルト1000

コルト1000 (COLT 1000)とは

コルト1000は、三菱自動車工業の前身である新三菱重工業と三菱重工業がかつて製造・販売していた小型セダンです。本記事では、この名車の概要や技術的特徴、派生モデルにも触れながら、その歴史を詳しく説明します。

歴史的背景

1963年7月、コルト1000が初めて世に出ました。従来のコルト600の上位モデルとして位置づけられ、当時流行していたフラットデッキスタイルを取り入れた三菱初の4ドアセダンでした。この車両は、名古屋自動車製作所や京都製作所など、複数の製作所の協力により開発されました。結果的に、以前のモデルとは全く異なる系統の車両が誕生しました。

エンジンと性能

コルト1000には、KE43型の1.0 L 水冷直列4気筒OHVエンジンが搭載されています。このエンジンは、しっかりとした走行性能を発揮し、運転する楽しさを提供しました。1964年には、第2回日本グランプリ自動車レースのツーリングカー部門に参戦し、加藤爽平が見事にクラス優勝を果たしました。さらに、他のドライバーも上位を占めるなど、高い性能を証明しました。

派生モデルの展開

1965年10月にはコルト1500が発売され、6気筒エンジン用のシリンダーブロックをベースにした新しいエンジンが搭載されました。基本のデザインはコルト1000と似ているものの、ボディサイズが長くなり、ヘッドランプ形状も変更されました。また1966年には、エンジンをKE44型の1.1 Lに置き換えたコルト1100が登場し、さらにその後のモデルでは、コルト1200やコルト1500スポーツセダンが追加されました。特に1500スポーツセダンは、エンジンパワーが向上し、スポーティなデザインを持っていました。

ニューコルトとその発展

1968年5月には「ニューコルト」としてマイナーチェンジが行われ、ボディデザインとメカニズムが更新されました。このモデルでは、ED型エンジンが使用され、より洗練された乗り心地を実現しました。その後もモデルは進化を続け、1969年にはコルトギャランが登場するまで、コルト1200がシンプルながらも堅実な選択肢として販売されました。

結論

コルト1000は単なる自動車である以上に、1960年代の日本の自動車産業を象徴する存在でした。派生モデルの展開やレースでの成功を通じて、その名は多くの人々の記憶に刻まれることとなりました。コルト1000は、三菱自動車の歴史の中で特に重要な役割を果たした車両であり、今なお自動車ファンに愛され続けています。

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